プランニングで大切にしている事

たくさんの引き合いをいただき、ただいま全力でプランニング、見積中です。

プランニングには作成者の大切にしていることがいろいろと見え隠れしますが、

どんな大きさ、形の住宅であれ私が必須としていることがいくつかあります。

①使えること

「使えることってなに?そんなの当り前じゃないの?」と思うかもしれません。

ところが、使えない間取りというものが実はたくさん存在します。

気持ち的に使えない(使いにくい)と感じる

もう一つは

物理的に使えない

使えないにはこの二つの意味があります。

建築費用が高騰する昨今、自社の標準的な価格帯を変えていない会社もあります。

たとえば高騰以前に35坪で2500万円が標準的な価格帯の会社が

いまも同じ2500万円を標準的な価格帯とする場合、

主に2つの方法でその価格帯を維持しようと考えます。

ひとつは建坪を小さくすること

もう一つは施工クオリティを下げること

「小さく建てて豊かに暮らそう」的なキャッチフレーズを聞いたことありませんか?

施工クオリティを下げることは論外として、

建坪を小さくして標準価格帯を上げないようにしている会社は多いと思います。

SNSを見ていると対面キッチンやダイニングテーブルなどが

整然と並んでるコンパクト住宅の写真をよく見かけます。

資材高騰とは関係なく、お客様それぞれに土地の大きさや予算などのご都合が

ありますのでコンパクトにすること自体には私も賛成なのですが、、、

ただ、「余裕のある」コンパクトさがいいですね。

テーブルを置くところはココ一択

ベッドや机、棚やテレビなどを置くことができるスペースもココ一択

キッチンの冷蔵庫や食器棚の置き場所もココ一択

こんな感じの余裕のないコンパクトにはしたくないですね。

「ココ一択」は言い換えると「整然と片付けられる」でもあるのですが、

生活パターンの変化に対して対応できるでしょうか?

「今」も大事であるけれど「将来」もきちんと考える必要がある

例えば、新築時のお子さまの年齢が小学生低学年だとして、

数年後にお子さまが中学生になったら体格としては大人です。

どのくらい背が伸びるかなど予想できないこともたくさんあると思います。

また、部活も例えばたくさんの道具や衣類が必要な部活の場合、

家の中に一気に物が増えます。

そうなると収納内では足りず、部屋内に物が並んでさらに狭くなります。

キッチンも同じく、計画では冷蔵庫や食器棚の位置を決めていても

実際に使う時になって「冷蔵庫と食器棚が反対のほうが良いな」なんてことも

でてきますよね。

そういうことにも対応できるように「適度な余裕」がある住宅としたいですね。

そのために「斜め歩きができること」を私は大切にしています。

カクカクと直線的に通れる動線ではなく、適度に斜め歩きができる動線とすることで

たとえばダイニングテーブルのイスが無造作に出ていても

人が通れるくらいの余裕が確保できます。

その余裕は同時に「物が増えてきたけど、ちょっとテーブルを寄せれば

新しく買った棚を置くスペースができるね」という余裕にも繋がります。

この動線に合わせて窓の位置を考えることで、

窓に家具が被ることもなく、光と風をしっかりと導くことにも繋がります。

でもこれを実現できるプランはとても難しいのです。

なぜならお客さまのご希望、それから道路や方角などの土地の条件があるからです。

たとえばLDK併設の和室が必要かどうかで間取りは全然変わります。

でも私は必ず余裕を作り出します。

使えるかどうかは畳数と比例しません。

そこにコンパクトにするメリットがあるのですから、

使える部屋をコンパクトに作り出すことで

余裕のある動線スペースも同時に生まれます。

これはフルリノベーションの際にはもっと重要になってきます。

それはまた後日に書きますね。

目次