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建築工事の相場ってどうやったらわかるの?

なんとかいきなり真夏にならずに

できるだけ涼しい季節が続きますように、、、

現場からの切実な願いです 涙

さて、何事にも「相場」というものがあると思います。

今日は相場について書きますね。

たとえばパンひとつでも特別な原材料などを使っていない限り、

あんぱんの値段が極端に違うことはないでしょう。

また、相場には2つの意味合いがあると思います。

ひとつは単純に「原価から考えるとこのくらい」という相場

もうひとつはブランド性や希少性を加味して付加価値をつけた相場

後者はネームバリューや希少性を考慮して

作り手によって操作できますから相場もバラバラだと思いますが

前者は作るものが同じなら

作る工程もだいたい似てるので相場も同じくらいになるでしょう。

建築はどうかというと、各社こだわりやノウハウの違いはありますが

特許工法などでない限り基本的に前者の部類です。

でも建築の相場ってわかりにくいですよね、、、、

それはなぜかというと、、、

世の中に同じ建物が2つとしてないからです。

同じ坪数でも使う商品や家の形、窓の数や間仕切り壁の多さの違いなどで

総額が変わってしまう=常にフルオリジナルですから

相場があるようでないし、ないようであります。

なおかつ、昨今の資材高騰でプロでも分かりにくくなってます。

また、相場はそれぞれですが、

相場とは関係なく絶対的な最低限のラインも存在します。

会社の大きさ関係なく職人さんの最低限の日当は変わりようがありません。

職人さんにも生活があるのですから

「この物件は日当を普段の半分で」なんてことはありえないので、

どこかの会社だけ異様に日当が安いということはありません。

施工費は工事の内容によって最低限のラインは決まってきます。

ここからが重要なので具体的に例を挙げながら、、、

同じフルリノベーション工事内容の相見積で

A社1000万円、B社700万円という場合

どちらの会社も親切、丁寧な会社でオーバースペックでもない適正見積と仮定して、

300万円(3割)も違うということは企業努力の差ではなく、

工事内容がまったく違うと思います。

たとえB社がA社と同じ内容の工事ができると言ったとしても

絶対に同じにはなりません。

もし実際にこんな差が出たら「でもB社はできると言ってるし、、、何が違うの?」

となるかもしれませんが、見えないところが全て違うと言えます。

それは言い換えると「知識と経験」の差とも言えます。

つまり「きちんと建てることができるかどうか」

と直結いたします。

フルリノベーションは現地合わせをどうするかによって

作業手間、現場管理手間が全く変わります。

つまり、作業の工程の数も変われば、

その管理チェック回数も、

それから使う材料の量も

全て変わります。

それが知識と経験の差であり、

「きちんと建てる」の合格ラインの差で

工程も何もかも変わり、クオリティに直結します。


想像ください。

例えばキッチン改装工事で、

「安くするために普段使ってる下地材より薄いものを使って、釘止めも普段の半分にしますね。仕上がりはクロスだから見た目は分かりませんよ」

と言われてOKはしないですよね。

これでは一般的なクオリティよりも低い工事になってしまいますが

言葉に出して説明を受けなかったらわからないですよね。

また、誰もがきちんとした工事をしてほしいと思いながら

「ハイクオリティまでは必要ないので一般的なクオリティでいい」

という意見もあるかと思います。

どちらの場合も相場がわかっていないと判断ができないことだと思いますが、

実はしっかりした会社ほどハイクオリティと

一般的なクオリティの区別はなかったりします。

たとえば使用するシステムキッチンの価格が100万円か、

150万円かでもちろん総額は変わりますが、

床や壁や天井の下地工事の内容や工程は

お求めやすいシステムキッチンでも、

高級システムキッチンでもやるべきことは変わらないからです。

というか、変えてはならないことですよね、

変えると↑のように普通以下のクオリティになってしまいます。

でもどこがそんなポイントなのかが一般の方にはわからないことも多いと思います。

「変えられないこと」の一例として今作業中のフルリノベーション現場から

外壁をカットして既設の窓を撤去し、新しい窓が何気なく取り付いていますが、、、

窓の下端は防水シートを先に取り付けてから

その上に窓を設置しています。

窓を入れ替えるために外壁をカットしていますので

補修が必要になるのですが、

単に外壁だけ補修したら窓との間にいずれ隙間ができて雨漏れしやすくなりますので

台風などの非常時にもしも隙間から雨が入っても室内に入らないように

防水紙を窓下に施工しておくのです。

しかし、こんな細かいことで大きな金額の差になならないと

もしかしたら想像している方もいるかもしれません。

この作業をするために

防水シートを購入し、

図面作成者が図面に記載

現場管理者に社内で伝え、

現場監督が現場の職人さんに指示をし、

窓を取り付けるという工程の前に

防水シートを施工する工程を行う。

それを住宅すべての窓に行う。

大きな窓になれば1人で施工できないこともあるので

大工2人分の日当に関係します。

「防水紙を先に施工する」

たったこれだけのために、

図面作成者、現場管理者、職人さん(最大二人)が関係します。

すなわち、最大四人の日当に関係します。

そんな作業を安く請け負ってもやるかというとやらないし、

知識と経験がなければそもそもできません。

そんな細かな差が集まってクオリティに大きく関係します。

クオリティが下がる=施工内容が減る=施工費も下がりますから

見積内容に大きく影響します。

これは悪徳業者が多いということではありません。

真面目に仕事をしていても知識と経験の差で

「いくら安くても雨が漏れては困る」と誰もが思うような作業内容も

変わってしまうのです。

でもでも、いくらしっかりとした工事で、相場があっていると言っても

誰しも予算の上限がありますよね。

そこで予算あわせの参考として想像しやすい方法を二つご紹介します。

①中古車に例えて考えてみること

②実際の現場を見せてもらいながら工事内容を聞くこと

この2点です。

例えば300万円の車を買いに行って同じ走行距離で、同じ装備なのに

90万円(3割)も違ったらたぶん多くの人が「なにかあるんじゃ???」と

警戒するのではないでしょうか。

建築も同じく3割も違えば工事内容が違います。

しっかりと明細の説明を聞いて参考にしましょう。

そして明細の詳細を聞くときには現場で説明を受けるのが一番です。

長押とか、根太とか言われてもなかなか言葉では想像できないと思うので。

A社とB社の現場を見せてもらって説明を聞いたとき、

たとえば見積の高いA社の説明のほうが内容が深く、

「ああ、いろんなことに力を注いでるんだな」と感じ、

安いB社の説明が浅いと感じたら希望に対しての適切な相場は

A社の可能性が高いです。

いくら口では「しっかりやります」と言われたとしても

現場での説明が浅いということは、

単純に知識も経験も浅いから自社PRのネタが少ないのですから

先に書いたように安く済んでも不安の残る工事になるでしょう。

なにをどうするのが正しいかの知識がなくても、

業者からの説明の深さはクオリティを想像しやすいと思いますし、

相場の想像にも役立つと思います。

希望工事内容の相場をすこし頭に留めながら希望の優先順位を考えることで

建築会社と二人三脚で取捨選択をすることができて

素晴らしい家づくりになりますよ。

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