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構造設計が理解できないと家づくりはできません

建築基準法が4月に大改正されて

図面に書いてあることをそのまんま何も考えずに

施工するだけではきちんとした現場管理ができない時代がきました。

これまでも何も考えずに図面に書いてあることだけを

やってるだけでは良い仕事とは言えませんでしたが、

事実上、構造計算が必須になった今、図面上の構造設計が理解できなければ

それを現場で具現化することも同じく不可能というわけです。

ココをお読みの方の中にはもしかしなくても

「え?構造計算ってどの建物でもしてるんじゃないの?建築会社ならみんな構造計算を理解してるのが当たり前なんじゃないの?」

と、思うかもしれないのですが、、、、

答えは大きく、大きくNO!です 

実は構造計算で建物の安全を確認している会社は

少ないのが現状です。

建物の安全確認の方法には大きく分けて二つあります。

ひとつは仕様規定

もうひとつは構造計算

建築基準法はほとんどの条文で

「ココはこういう内容を守ってね。ただし、構造計算で安全を確認することでもいいですよ」

という感じの記載をされてます。

建築基準法に記載してあること(仕様)を守るか、

もしくは構造計算で個々に安全を確認してね

どちらで安全を確認してもいいよ

という意味です。

今までは木造建築は鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて

少し緩めの基準だったので構造計算をすることなく

仕様規定で建築確認申請を行っている会社が多かったです。

それを、4月の大改正で鉄筋コンクリート造や鉄骨造と同等に

厳しい基準になったので、仕様規定ではさまざまな条件がクリアできず

実質的に構造計算が必須になりました。

となると、いままで構造計算を使ってこなかった人たちにとっては

チンプンカンプンなわけで、、、

そして、構造計算を使っていたとしても図面に記載してあることを理解せずに

単に「図面に書いてあるから」だけで施工してきた人たちも

今後求められる的確な判断ができないでしょう。

構造計算書は木造二階建ての住宅でも550ページほどあります。

そのほとんどが計算過程で、計算結果が書いてある箇所は

ごく一部なのですが、構造計算書を見たかことがなければ

計算書のどこを見ればいいのかすらわかりませんので

「構造計算書さえ見れば施工できるんだろう」は

絶対に不可能だったりします。

そして、1件や2件経験したところですぐには理解できません。

なぜなら世の中にまったく同じ敷地条件や近隣条件、

建物形状の建物はないからです。

建築は常に初見の案件

気をつけることも、イレギュラーもなにもかも常に違いますから

大枠を理解するには少なくとも5〜10年かかります。

いや、10年経っても毎回あたらしいことが出てきますから常に勉強です。

その昔、とある方が

「お前のやってることは構造計算事務所の受け売りなだけ」

と言ってきたことがありました。

まさに構造計算は計算結果さえ見れば簡単に理解できて

すぐに使いこなせるという考え方だったのでしょう。

構造計算を使用するうえで最も大事なことは

構造計算結果を現場でどうやって具現化するか?

計算書は机上の理論

計算書は「ここに鉄筋を3本入れてね」と結果が出るだけですが、

実際の現場ではその通りに納まらないことは日常茶飯事

なので、現場の実情に合わせて再計算はほぼ必須ですし

現場とのすり合わせも必須です。

計算書があっても初めての人が現場管理できないのはそのためです。

知らないことには気づけない

どの業界でもそうですが、たとえば入社したての人に

「わからないことがあったら聞いてね」と言ったところで、

入社したての人は「質問すべきことがまずわからない」ですよね。

構造計算を活かすかどうかも同じこと

慣れていなければそもそも再検討が必要かどうかすら

わからないので適切な対処ができずに知らずのうちに違法建築を

することになりかねません。

弊社はというと、、、

職人さんの技術力は数値で計れませんがとても偉大だと思っていますが、

その判断や技術が正しいと裏付ける根拠も必要だと感じて

長い年月をかけて技術力と構造計算をドッキングして

お客さまにきちんと目に見える根拠を説明できるよう意識してきました。

構造計算が必須になった今、他社への大きなアドバンテージとなっています。

今後も一軒ごとに知識と経験を増していきたいと思います。

しっかし、、、、暑い!

構造計算よりも暑さ対策のほうが難しいです!笑

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