「電気屋さん」と、分離発注の注意点

今年の夏は暑かったですね。

エアコンなしではもう生活できないですよね 汗

さて、エアコンにも関係しますが、今日は「電気屋さん」について

実は電気屋さん関係が一番、一般の方と私たち建築業界にいる者との

見解のギャップが起こりやすい職種かもしれません。

一言で電気屋さんと言ってもカテゴリーがいくつかあります。

代表的なカテゴリーとして

①建築工事の電気屋さん

②家電製品を扱う電気屋さん

③インターネット配線や防犯カメラ配線など特殊な工事を扱う電気屋さん

があります。

①の建築工事の電気屋さんは、新築やリフォームの際に

スイッチやコンセントの配線を行う電気屋さんです。

イメージを簡単に言うと街のあちこちでみかける電気工事会社さんです

②の家電製品を扱う電気屋さんは

テレビやエアコン、洗濯機などの取付けを行う電気屋さんです。

イメージを簡単に一言で言えば家電を売ってる街の電気屋さんです。

家電量販店さんもこのカテゴリーです。

③の特殊工事の電気屋さんはインターネットの光ケーブルの工事や

防犯カメラの工事を行う電気屋さんです。

これも①と同じように「〇〇電気 株式会社」と

看板をあげていますが

①とはカテゴリーが全く違い、

①の会社ではできない専門的な工事を担っています。

たとえば防犯カメラなどは配線が普通のものではなく、

特殊工具でないと結線ができなかったりします。

これらの電気屋さんは一般の方から見れば

皆おなじ「電気屋さん」に見えているかもしれないのですが、

明確に仕事のカテゴリーが分かれています。

しかし、①の工事だけ行う電気屋さんもあれば、

①の工事を主体としながら②のエアコンの設置を扱う電気屋さんや

逆にテレビや洗濯機などの家電を販売することを主体としながら

①の工事も行う②の電気屋さんもあります。

③に関しては特殊で、

光ケーブルは簡単に切ったり繋いだりができなくて

特殊な工具が必要だったりするので専門業者の場合が多いですが、

なかなか一般の方には区別はつかないと思います。

また、明確に仕事のカテゴリーが分かれていると言いながら

①と②と③の電気屋さんは実は工事の中で連携もしています。

たとえば、インターネットのための配線が完結するためには

まず、①の建築工事電気屋さんが

「電線などを通すための配管を設置し」

③の電気屋さんが配管の中に

「電線などを通していきます」

エアコンも、エアコン用のコンセントの工事は

①の電気屋さんですが、

エアコンの設置工事は②の電気屋さんです。

①の電気屋さんがエアコンを取り付けたり、

②の電気屋さんが配線工事をしていたりするから

余計にわかりにくいと思います。

そのややこしさにプラスして「分離発注」が絡んできます。

たとえばエアコンの購入、取付を一括して建築会社に頼む場合には問題ありません。

建築会社が①、②、③のしかるべき電気屋さんを手配するからです。

注意が必要なのはたとえばエアコンの購入を

お客さまが家電量販店などで購入する場合で、

エアコンなどに限らず、棚を買ったのでつけて欲しいなど含めて

建築会社とは別手配になることを「分離発注」といいます。

分離発注であっても建築会社が引き渡した後で

出来る工事なら問題はないと思います。

でもエアコンのようにコンセントの設置工事や

エアコン取付のための下地工事を行う建築会社側の工事と、

エアコンだけを取り付けるお客さま手配の工事の両方が必要な場合には

注意が必要です。

分離発注の場合、お客さまが独自に購入するので

エアコン用のコンセントが100Vなのか200Vなのか

エアコンの下地はどの範囲に施工すればいいのか

などなどの指示、手配を「お客さまご自身が」行う必要があります。

簡単に言うと現場監督をお客さまがすることになります。

これは決して建築会社が

「ウチで買わないのなら知らないよ~」と思っているのではなくて、

責任が取れないのにお客さま手配の業者さんの工事に対して

建築会社は気軽に指示することができないのです。

それから単純にお客さまがいつ、どこで、どんな商品を買って、

どんな工事が必要なのかも、他の工事との兼ね合いも

建築会社はわからないからです。

じゃあ、詳細を伝えれば建築会社があとは手配などを手助けしてくれるのかというと

それも責任が絡んでくるので望ましいとは言えません。

分離発注の注意点は以前に書きました。

分離発注の注意点とは

何度か書かせていただいているのですが

分離発注の最大の注意点は手配、指示、責任の所在です。

防犯カメラやインターホン、エアコンなどを家電屋さんで

お客さまが購入したもの(分離発注)と、

建築工事側の電気工事の両方が必要になる場合には注意が必要です。

購入前に建築会社さんにお気軽に相談してみてくださいね。

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