若いころの設計は誰もが猪突猛進
お客さまのお好みが赤だったとしても
「青がいい!」と思い込んだら一直線で、
お客さまにもそれをおすすめしがちです。
もちろん、
「最初は赤がいいと思っていたけど説明を聞いて青もいいなと思った」
ということもあるので、青を提案することもぜんぜん悪くはありません。
でも、青を一度説明してみたけど
赤がご希望なことが変わらなかったらどうでしょう?
それでもまた青を勧めますか?
お客さまからすれば「赤が希望だと言ってるのにな、、」
となりますよね、、、
むかしむかし、乗っていた営業車のお話、、、
走行距離もかなり走り、乗り換えることになりました。
とある中古車屋さんに相談したら、
それまで乗っていた車種を勧められたので
他車にくらべて乗りにくく、良いイメージがないことを伝えて
「じゃあ、ほかの車を探しますね」と打合せしたのに
また同じ車種を勧めてきました。
そこで今度はその車種は外してくださいとはっきりと伝えたのですが、
「いい車が見つかりました!」と連絡いただいた車がまたその車種でした、、、
車屋さんとしてはおすすめな車種なのかもしれないけど、
それは必ずしもお客さまにとっても良いわけではないですよね。
こまったな、、、と思っているところに知り合いが別の業者さんを紹介してくれて
話を聞きに行ったら
希望車種を3種類ほど挙げたら、それぞれの長所と短所を教えてくれて、
あらためて車種を決めて探してもらい、すぐに見つかりました。
価格としては最初の業者さんの提案してきた車種よりも高くなりましたが、
値段以上に、長所と短所をきちんと説明してもらって
「納得してお金を出すことができたこと」が決め手になりました。
私たち建築も同じで、木の家がお好みのお客さまに
鉄筋コンクリートの家を勧めてもダメですし、
ましてや、それぞれの長所や短所の説明もなしでは
お客さまは価格やデザインなどの目に見えるモノ・コトでしか判断ができません。
建築は必ずメリットとデメリットが表裏一体で存在します。
たとえば杉の床材は無垢材なので質感もよく、肌触りがとても柔らかく暖かいです。
そのかわり、既製品のフローリング材に比べると柔らかいので傷がつきやすいです。
なので、室内でペットを飼っていらっしゃる場合には爪で傷がつくことなどを
考慮に入れてメリットとデメリットの両方を伝える必要があります。
車の件は、お客さまにメリットとデメリットを正確に伝え、
自社の良いと思うモノ・コト、そして特徴をどう伝えながら
ご希望に寄り添うかがとても大切と感じた一件でした。
ただ、ご希望をなんでもそのまま受け入れるのが
良いのかというとそうでもないと思います。
SNSが全盛のいま、さまざまな情報が溢れていますが、
時に正しくない情報も流れていますし、
デザインを重視するあまり耐久性などで難ありと思うことや
価格的に一般の方が採用しにくいものもたくさんあります。
ちょうどイイを提案する
それは私たちの大きな特徴のひとつだと感じます。
お気軽にご相談くださいませ。