「これで十分」は人それぞれ

先日、「なるほどなあ」と思うSNSを見ました。

「写真を撮るならスマホで十分なのになぜ高級なカメラを使うのですか?」

という質問に対して、回答されていました。

10分離れたところに行くのなら原付で十分なのに高級な車で行くのはなぜですか?

ラーメンが食べたいならカップ麺でいいのに

なぜラーメン屋さんに並んででも食べに行くのですか?

字を書くだけなら安いボールペンでいいのに

なぜ高級な万年筆を使う人がいるのですか?

人にはそれぞれこだわりがあり、

何に価値を感じ、

何をもって十分と思うのかは人それぞれ

スマホで写真を撮ることが悪いのではなく、

こだわりたい人にとってはスマホで満たされない世界があって、

自分はカメラを選んだ

それが自分の生き方だと結んでいらっしゃいました。

住宅も同じだと感じます。

たとえば浴室

一日の疲れを癒すために浴室にはこだわりたいと考える方もいれば

お風呂に入れればいいと考える方もいます。

どちらかが間違えてるわけではなく、どちらも正解だと思います。

ただ、カメラと違うのは家はいろんなモノ・コトの集合体であるということです。

カメラは「カメラ本体の形はソニーで、モニター機能はキャノンで、、、」なんてことを

選ぶことはできませんが、

家は屋根材や外壁材や、システムキッチンに内装材に、床材に、、、、

とたくさんのモノ・コトの集合体で、すべてがその家だけのオリジナルです。

なので、

外観も内観も使う商品もなにもかもすべてを思い通りにできればいいのですが

誰もが予算があり、

予算と性能とデザインのバランスを整えることが大切になってきます。

そんなとき、わたしたちが例えば「これしかできません!」と言ったとしたら?

一気に夢が壊れてしまいます。

商品の選択肢があまりなかった時代と違って今はいろんな選択肢があります。

その案内人を務めるのがわたしたちプロの仕事

アトリエの内壁

観葉植物を挟んで左右で仕上げ材が違います。

右側はクロス貼、左側は左官仕上げ

見比べていただけるようにわざと仕上げ材を分けています。

予算とデザインのバランスを整えるにあたって、

リビングを左官仕上げ、2階の個室はクロス仕上げとする中でデザインの統一を。

わたちたちはこういう提案ができます。

そして、バランスが崩れる時には「バランスが崩れますよ」ともお伝えいたします。

家づくりは駆け引きではなく綱引きがお勧めです

バランスを取りながら「これでいい」ではなく「これがいい」の家づくり

そこに家づくりの楽しさがあると思います。

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