暖かいと思ってたのにまた急に寒くなりましたね。
さて、高断熱・高気密には実は大きな落とし穴があります。
それは、、、、
図面上のスペックと実際の現場の性能は
必ずしもイコールではないということです。
断熱性能を表すUA値は図面上の計算値です。
断熱材単体の性能や窓の性能、
そしてそれらの面積などの条件から計算されます。
「実際にその断熱材や窓を使うのだから図面上も実際の現場も性能は同じでは?」
と、思うところかもしれませんが、
かならずバラツキがあります。
なぜなら「建築は人がつくるもの」だからです。
グラスウールやロックウールなどの断熱材はこんな感じで
柱や間柱のあいだに大工が施工していきます。

写真のように広い面で楽に施工できればいいですが、
狭いところや、まっすぐでないところなどもあります。
また、いくら丁寧にとはいえ、
たとえば写真に写る範囲を丸一日かけて施工するのも
常識外で非効率的です。
それから雑に施工することも当然にできます。
雑に施工すると言ってもこれも様々で、本当に粗い施工の場合もあれば、
施工上は問題ないけど決して丁寧とはいえない場合までいろいろあります。
図面上の性能は丁寧に施工しようが雑に施工しようが同じ性能値ですが
実際の現場は施工の良し悪しで断熱性能が大きく変わります。
対して、気密はというと、こちらは図面上の数値ではなく、
完全に現場の実性能オンリーになります。
気密を表すC値はこんな感じの機械を使って現場で測定します。

この機械で隙間から入ってきた空気量を測定します。
隙間はありとあらゆるところにあります。
窓や玄関ドアはもちろん開きますので、
いくら閉めていてもコンマ何ミリの隙間があります。
それから床下地や壁下地材もそれそれの材料にはかならず継ぎ目があり、
それも隙間になります。
住宅を1m角のサイコロに見たてて、
それらの隙間をすべて合わせて1センチ以下(C値1.0以下)を
一般的に高気密と呼びます。
しかし、実際に高気密と呼ばれる性能としてはC値0.5程度以下
0.5程度以下の数値を出そうとすると、
床下地などの施工、そして断熱材の施工などふくめて
「大工の腕」が必須になります。
気密も断熱と同じく、施工上は問題なくても
大工の腕によってC値が大きく変わるというわけです。
なので、一番ベストなのはUA値とC値の両方の性能が高いことと同時に
図面上の計算であるUA値と、
実際の現場の数値であるC値の値が近いことになります。
UA値が0.5でC値も0.5
UA値が0.2でC値が0.6
どちらが良いかというと前者です。
後者は図面上の断熱性能は高いけど
実際の現場の気密性が悪いということですので
さまざまな施工状況が良くなくてあちこちに隙間があり、
実際の断熱性能が下がるということです。
ここが今日の一番のポイントで、
スペックを重視して建築したい場合に、
図面上の計算値であるUA値だけを聞いても参考にはなりません。
UA値とC値が離れている場合、どんなデメリットがあるかというと
図面上とはいえ性能を上げるために高性能な窓やその他の材料を
ふんだんに使うわけですから「高価なのに性能が良くない」ということに
なってしまうことにもなりかねないのです。
なにごとも根拠のあるバランス提案がとても大切と私たちは考えます。
誤差があるとしても最低限の誤差にできるかどうかは
職人の腕と、管理する者の知識と経験しだい
それはきちんと建てることができるかどうかにも繋がりますので
建築会社選びはとても大切ですよ。