分離発注がよくわからない
そんな質問をいただきましたので車にたとえて書いてみますね。
答えを導くような書き方をすると余計にわかりにくいと思うので
ご自身だと思って想像いただけるように、
私の気持ちは加えず淡々と書かせていただきますね。
分離発注は決して悪いものではありません。
ですが、「分離発注とは」がわからないまま進めると
「安く済むと思ったのに結局は手間もお金もたくさんかかった」となりますので
分離発注を正しくご理解いただければと思います。
新車で車を購入することになったとします。
車の購入に合わせて冬が近いので
スタッドレスタイヤとホイールもあわせて購入したいと考えました。
ディーラーと街の量販店の両方で見積を取ったところ
ディーラー 10万円(商品代5万円 取付代3万円 諸経費2万円)
量販店 8万円(商品代5万円 取付代2万円 諸経費1万円)
の見積が出てきました。
総額が安いほうの量販店で買おうと思うのですが、
ホイールやタイヤサイズがマッチしているかが気になり、両社に聞いてみました。
そしたら
ディーラーはホイール規格が純正と少し違うのでスペーサーが必要
量販店はそのまま取り付けても大丈夫
との返事がきました。
さて、どちらで購入・取付しましょう?
A.量販店の意見を採用して、量販店で購入・取付をしてもらう
B.ディーラーの意見を採用して、ディーラーで購入・取付をしてもらう
C.ディーラーの意見を採用して、量販店で購入して、ディーラーで取付してもらう
①Aは車の購入先とタイヤ類の購入先・取付が別
②Bは車の購入先とタイヤ類の購入・取付が一体
③Cは車の購入先とタイヤ類の購入先が別で、取付もまた購入先とは別
これらのうち、①と③が分離発注、②が一括発注になります。
車で例えるなら、たとえカップホルダーひとつでも
車本体を購入したディーラーですべてを手配することを一括発注
車本体を購入したディーラー以外で購入したものを
取り付けることを分離発注と言います。
そして、購入・取付後にタイヤの振れが出たとしたら
まずどこに問い合わせますか?
Aの場合、量販店に調べてもらいますか?それともディーラーに調べてもらいますか?
Bの場合、車もタイヤ類の購入もディーラーなので、
ディーラーに問い合わせますよね。
Cの場合もAと同じく、どちらに調べてもらいますか?
さらに
Aのケースで量販店に問い合わせしたけど、なかなか直らない
Bのケースでディーラーに問い合わせしたけど、なかなか直らない
Cのケースでディーラー、量販店の両方に問い合わせしたけど、なかなか直らない
そんなとき、どうしますか?
Bは購入先が一貫しているのでディーラーは保証など含めて
対応を検討すべきですよね。
AとCの場合は車の購入先であるディーラーと、
タイヤ類の購入先である量販店のどちらに交渉しますか?
①量販店のみに交渉
②ディーラーのみに交渉
③両社に交渉
その問い合わせに対してディーラーと量販店はどう対応するでしょう?
①これは自社に大きな責任がある。真摯に対応するべき案件だ
②取付はしましたが、ウチで買ったものではないですよね?
③購入はしてもらいましたが、ウチで取り付けたものではないですよね?
④商品には問題がなくて取付が悪いのでは?
⑤取付には問題はなくて商品が悪いのでは?
ディーラーと量販店の意見が一致し、
どちらで対応して解決するかはっきりすればいいのですが、
もし解決しなかったらどうしますか?
①ずっとタイヤが振れたまま走る
②量販店のみに責任を問う
③ディーラーのみに責任を問う
④両社に責任を問う
そして「購入して間もないから保証が使えるんじゃないの?」と考えて
両社に問い合わせしたとき、どんなことが想像されますか?
①両社の保証が使える
②量販店の保証が使える
③ディーラーの保証が使える
④原因がはっきりしない限り、両社どちらの保証も使えない
最後に、上記のやり取りすべてに言えることですが、
車本体の購入先と部品類の購入・取付先が違う場合、
車を持ち込んでホイールの取付日を誰が決めますか?
気になることが出た時にどこに問い合わせをするかを誰が決めますか?
また、その調べ事をしてもらう手配をし、
その結果を踏まえて、どこに何を伝え、
どういう風に解決するかなどを
誰が主体となって決めていきますか?
①ディーラーと量販店がお互いにやり取りをして解決してくれる
②ご自身で各手配し、両社と相談しながら解決していく
一括発注の場合には購入先にすべてゆだねることができますが、
分離発注の場合にはご自身が中心となって動く必要が出てくるし、
なにかあったとき、商品の良し悪し、取付の良し悪しという部分的な責任は
購入先や取付先にありますが、それが明確にならなかったりした場合には
最終的にだれが判断、責任をもつかというと、
購入先・取付先を決めたご自身になってしまいます、、、、
次回 これを建築にたとえて書きますね。