物に命を吹き込む

9月13日まで神戸の竹中大工道具館にて一脚展が開催されています。

弊社でもお世話になっているTenonさんも出展されていたので見に行きました。

Tenonさんは私たちと同じく技術を大切にチェアづくりをされていて、

社名は英語で「ほぞ」という意味です。

このチェア、背もたれの部分が三層構造になっています。

素材が木ですから簡単には曲線が作れません。

なので、薄い材料を三層に重ね、

なおかつ、その継ぎ目がわからないように仕上げています。

また、座面は面白い素材、なんだかわかりますか?

なんと、刀の柄の部分に使われる素材を使って編んでいます。

座面は布や革など色んな素材を使って自由自在

それを木部とのバランスを取りながらデザインマネジメントしています。

そしてコチラはソファとテーブルの組み合わせ

パッと見たらおしゃれなデザイン、としか感じない

ところが、この中に作り手の様々な想いが隠されています。

デザインで言えばこの脚

縦横のラインが見事にテーブルとソファが融合しています。

また、テーブル天板下に入る一本の溝

デザインのようで実は技術的な配慮のポイントです。

この溝、なしでも製作可能だけど、年数が経つと木材の反りで開いてくると予想して

わざと溝切りをしているそうです。

そして、それよりも感動したのが、、、、

このソファの背もたれの高さはテーブルと同じ高さになっていて、

クッションとの組み合わせで背もたれに対してまっすぐ座ることも、

写真のように角にクッションを置いて斜めに座ることもできます。

テーブルのソファ側には天板下に小さな引き出しがあって

リモコン類を納めることができ、

背もたれが低めなので、ソファ背面から背もたれを乗り越えることも容易。

そしてそして、この細い脚の中に電気コードを通す工夫がされています。

また、テーブルの手前側にソファを延長すればL型ソファにもできる

説明を聞きながら、このソファを使っているところがとても想像できました。

そして、何気なくこうおっしゃいました。

「私たちは単に家具を作ってるんじゃなくて、生活をつくってるんです」

ガツーンときた言葉

私たちの提案する建物も同じく、単なる箱ではありません。

単にお客さまの希望する部屋を詰め込むだけではプロの仕事とは言えない。

近隣環境、敷地形状、いろんなことを加味して生活するところを想像し、

活かす方向と、そうでない方向を決め、

その中で希望の間取りを叶えていく。

言葉にすれば簡単なことですが、

私たちの一番の特徴は「どちらでもいいですよ」とは言わないこと。

窓の位置ひとつも「こういう理由でこの場所に、この大きさで提案しています」と

お伝えしています。

私たちが良いと思ってもお客さまの希望として、

たとえば窓を提案した位置に大きな絵を飾りたいかもしれない。

私たちの役目は道しるべであって、進路を決める役目じゃないんです。

イエスかノーを決めるのはお客さま

提案はその判断ができる判断材料なのに「どちらでもいいですよ」では

お客さまが判断できない。だからきちんと理由を説明して提案します。

その結果、お客さまが選んだ道にあった提案をまた行う。

それが「寄り添う提案」だと感じています。

もちろん、たとえご希望だとしても止めることもありますよ。

たとえば極端な話として、玄関のドアの大きさが30センチでいいと言われても

それは、道しるべな役目として行き止まりの道だとわかっているのなら

止めなければならないので、、、、

ただ、単に止めるだけでなく「それならばこんな道はどうですか」と

代替案を出します。

プランニングはビックリする提案をすることが良いのではなく、

いかに寄り添えるか。

ここに時間をかけることを心がけています。

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