もう腕がー
日焼けで腕時計の跡が消えません 笑
現場管理をまじめにしているとほんとこんがり焼けます
さてさて、今日からは基礎工事であり、木工事である土台設置についてポイントを。
基礎工事でアンカーボルトを設置いたしますが、
これが完成後の耐震に大きく影響いたします。
手前の丸い金物がアンカーボルトです。
赤い線は土台の幅をだいたい3分割した線です。
アンカーボルトは土台の幅の真ん中1/3に入るように心がけています。
「どんな意味があるの?」
建物にとって怖いのは「回転する力」です。
振り子を糸につけて揺らせたとき、
同じ重さの振り子でも糸が長ければよく揺れますよね?
もしくは、振り子が重ければ重いほどよく揺れますよね?
それと同じで例えば地震で横から建物が揺らされると、基礎を支点として建物に回転する力が加わります。
屋根が重いと耐震上不利という理由はこれでして、
屋根が重い=振り子がより重いというわけで、建物がよく揺れて壊れやすいわけです。
地震が来ると、基礎から一番遠い位置にある屋根が一番大きく揺れます。
その揺れた力を2階が受け止めて、
2階が受け止めた力を今度は1階が受け止めます。
そして、1階が受け止めた力を基礎が受け止めて、最後は地面にその力を逃がす。
これが建物が地震に耐えるメカニズム。
ということは?!
1階で受け止めた力を基礎に伝えるための仲介者が必要になります。
それがアンカーボルト
ものすごく大切な役目を担っています。
もし、アンカーボルトが青線側、黄色線側のどちらかに偏っていたら?
青線側に偏っていたとしたら、、、、
回転する力がかかった時に青線側からの力にはすぐ近くにアンカーボルトがあるので強く耐えられますが、
反対側から力がかかるとアンカーボルトまでの距離があるので土台が持ち上がっちゃってアンカーボルトの本来の力が発揮できません。
黄色線側に偏った時も同じです。
真ん中1/3にあることでどちら側から力がかかっても均等に耐えることができます。
「じゃあど真ん中がいいじゃん、なんで真ん中1/3なの?」と思うかもしれません。
実は基礎のど真ん中(土台のど真ん中)には鉄筋が通っているので
アンカーボルトをど真ん中に持ってくるのは不可能なんです。
なので、アンカーボルトはど真ん中からチョイ右か、チョイ左に寄ってしまう。
そこで「真ん中1/3」となるのです。
でもでも建築は人が造るもの
時には少し位置がずれていたりします。
その時に適切な判断ができるかどうか?
これがまた大きな大きなポイントになります。
たとえば気になるアンカーボルトが
「絶対に必須な位置にあるアンカーボルト」
なのか、それとも
「本当は必須ではないけど予備的に施工しているアンカーボルト」
なのかによって判断が分かれます。
必須ではないアンカーボルトってなーに?
と、思うかもしれないのですが、アンカーボルトの設置位置や間隔って
実は建築基準法には具体的に記載されていなくて、
一般的に2.7m以内の間隔であればよいとされています、
が、、、、
これまた一般的に実際の現場では1~2m以内の間隔で施工している場合が多いと思います。
ようは各会社の裁量に任されているとも言えます。
弊社の場合はというと、予備的なアンカーボルトを設置しています。
もしかして必須なアンカーボルトの位置がずれていたとしても
予備のアンカーボルトを使って構造計算で安全性を確認できるように。
しかし、それができるのは必須な位置の知識があるからです。
知識がなければこの判断ができません。
現場に任せっきりにしていると、
「アンカーボルトがズレてても土台が留まればいいんだろ」
と、判断してしまいがちですが、
実はアンカーボルトはものすごく大きな役目を担っていますので、
基礎工事の時には注意が必要です。