介護保険住宅改修で大切なこと①

寒い!そしてあちこちで大雪になっていますね。

大きな被害が出ませんように。

今日は介護保険住宅改修について書きますね。

「介護保険住宅改修」と聞いて皆様は何を一番に想像しますか?

手すりの取り付け?

床のバリアフリー化?

トイレ改装?

浴室改装?

多分一番多いのは手すりの取り付けでしょうか。

では、手すりの取り付け場所ってどんなところに付ければいいのでしょう?

トイレや浴室などの「部屋」までは想像できてもその部屋の中のどこに

付ければいいのか、なかなか分かりにくいのではないでしょうか。

介護を担うのは医療、手すりの取り付けを担うのは建築会社

その両方を繋ぐ資格が「福祉住環境コーディネーター」

1級~3級まであり、

2級以上で住宅改修の際の助成金の申請をすることもできます。

福祉住環境コーディネーターの知識で基本的な手すりの取り付け高さや位置が

わかりますが、実はそれだけでは実際の現場では役立ちません。

なぜなら、身長も、握力も、視力も、右利きかどうかも、

何もかも人によって違うので「ご本人に合わせる」必要が出てくるからです。

なので、ヒアリングがもっとも重要になります。

ところが、ヒアリングの際にご本人さまに聞き取りをしても

本来、手すりを取り付けるべき場所を

正確にお話しいただけない場合も多々あるんです。

なぜなら「自宅だから」です。

自宅ですから「慣れてしまっている」のです。

我が家ですから段差なども無意識に超えていますので

ご本人さまが気づいていないことも多々あって、

それを見極めるのが福祉住環境コーディネーターの役目でもあります。

ありがちなのが、「手すりなんかいらない」とお伺いすることがあります。

ところが、ご本人さまと一緒に家の中を歩きながら後ろから見ていると、、、、

image

こんな感じで建具枠の少しのでっぱりに指をかけて

立ち上がったり、歩いていたりしていることが多いです。

これが「慣れてしまっている」ということでして、

ご本人さまはここに手をかけている意識がありません。

玄関の下駄箱や、ダイニングテーブル、イス、

いろんなところに手をかけて歩いていることもよくあります。

なので、トイレに行く動線に何も考えずに手すりをつけるのではなく、

ご本人さまの普段の生活の動きを見極めて、

必要なところに

最小限に

取りつける。これが基本と思います。

なぜ最小限かと言うと、、、、

介護改修はご本人さまのためでもあり、介助するご家族のためでもあるからです。

手すりがあちこちにあることは確かにご本人さまの安心につながりそうに見えます。

ところが、例えば右利きの人に左側に手すりをつけてもあまり使いませんよね。

壁から見て手すりは10センチほど出っ張りますので、

良かれと思って付けた手すりが

逆に廊下の幅を10センチ縮めることになることもある。

使わない手すりは逆にバリアを作ってしまうので注意が必要です。

そして、使わない手すりはご家族にとってはもっとバリアになってしまいます。

必要な個所に手すりがしっかりと付いていれば、

たとえば着替えの時にご本人さまに手すりを支えに立ってもらって

ご家族が介助することができたりしますので

ご家族の介助の手助けにもなりますので、

必要な個所をしっかりと見極めて

「余裕を持った最小限」とすることが求められるのですが、

実際にリフォームの際によく見かけるのは

知識のない建築会社がご家族のご希望通りだけで手すりをつけて

実際にはあまり使われていないというのをよく見かけてて

高さや取付位置などをよく手直ししています。

介護改修は、ご本人さまと介助するご家族のためのもの

そこを見失わずに提案する必要があります。

そして、改修に際して私がお勧めしていることは、、、、

費用が掛からないバリアフリー化をしてから住宅改修を行いましょう」

とお話しています。

バリアは床の段差のことを言うのではありません。

棚のでっぱり

足の引っ掛かりそうなカーペットの端部

イスのでっぱり

などなど、動線の中にある転倒などに繋がりそうになるモノ・コト

すべてがバリア

それを解消することがバリアフリーです。

なので、カーペットの端部をしっかりと固定したり、

家具を移動したりして整理したうえで必要な工事をお勧めしています。

それからもっと大事なものが照明です。

足元が暗い=転倒の危険が増します。

人感知の照明器具などを使って明るめの照明に取り換えるだけでも

リスクは軽減します。

長くなってきたので次回に続きます。

次回はご依頼をいただいたときの

ご本人さま、ご家族の心情などについても書きたいと思います。

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