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弊社が構造に強い理由

「ウチは構造に強いです」

そんな言葉をよく聞きます。

ですが、、、、

構造に強い会社は本当に、本当に、本当に、本当に一握り

というか、出会うこと自体が稀です。

そのくらいどうして言いきれてしまうのか?

構造に強いと言う理由にはいくつか想像ができます。

「いままでたくさんの建物を建ててきた(リフォームしてきた)」

「構造計算をつかっている」

大きくはこの二つかなと思います。

まず、たくさんの経験があるという理由で構造が強いという場合の注意点は、、、

その経験には根拠はありますか。

たとえば経験上で梁の大きさを決定したとします。

でも本当にその大きさが適切かどうかの根拠はどう証明しますか?

大工さんの経験というのはとてもすごいです。

実際に計算をすればクリアする場合が多いです。

でもこれが車だとして「私の経験上で部材を決めた。これで安全」と

言われて安心できるでしょうか。

経験は大切ですが、やはりその裏付けは必要ですよね。

次に構造計算を使っているという理由で構造に強いという場合

構造計算を使って計算するにあたって、

計算書の中身が読み取れる人は何人いるでしょうか。

木造二階建で許容応力度計算書は約550ページにもなります。

その中でほとんどが計算過程で、計算結果はごく一部

計算書の中でそれをパッとわかる人、どのくらいいるでしょうか。

構造計算書は構造設計者に頼めば簡単に出来上がります。

ですが、問題はそれをどう活かせるか

計算書の内容を転記した図面に基づいて施工しているだけなのか、

それともやるべき内容をきちんと理解したうえで構造計算書を活用しているのか

どちらなのかによって結果は全く違ってきます。

前者ならば、もしも現場が計算書通りにできないときに

どう判断したらいいのかわからないでしょう。

自身の経験だけに頼る、つまり現場主導でもダメだし、

構造計算書の結果だけに頼る、つまり机上理論のさらに一部だけを

使っている状態でもダメです。

そもそも構造計算は何のためにあるのか

これがわかっていないと、現場にどう活かすかもわかりません。

つまりイレギュラーには対応もできません。

というか、構造計算で確認すべき事柄かどうかすら気づけません。

構造計算は「もつか、もたいないかの計算」と思っている人が多いです。

確かにそうなのですが、

正確には「壊れる境界はどこにあるか」を計算するもの

すなわち余裕ゼロの状態を見極める計算ということです。

実際の計算条件としては安全率を見込みますが、

それでも大工さんの経験とは乖離があります。

梁の大きさで言うと計算と大工さんの経験では

大工さんの経験のほうが二回りくらい大きくなります。

「じゃあ大工さんの経験だけでいいじゃん」と思うかもしれないのですが、

先に書いた理由もさることながら

大きさ以外にたくさんの検討が必要になるのでそれだけではだめなのです。

木材の大きさが大きくなる

すなわち

自重が増える

すなわち

地震や台風などの際に大きく揺れる可能性がある

そんな様々なことを考慮しながらバランスをとるためには

構造計算と現場の両方の意見をまとめる必要があります。

これができている工務店がどれだけあるでしょうか。

ちなみにハウスメーカーはもっとできないと思います。

なぜなら会社としてマニュアルはあっても

誰もそれを紐解こうなんて考えないからです。

まず、しっかりとした構造設計者と出会うこと自体が超稀です。

そして出会ったとして、そこから一年中、構造計算を活かした現場をこなしても

習得は5年では無理です。そのくらい奥が深い。

「計算書の要点だけ教えて」というスタンスの工務店ではもっと無理ですが、

普通は誰もわざわざ構造計算の基礎まで深くは入り込みません。

弊社の場合、長期優良住宅認定を許容応力度計算を使って手刻みで行うにあたって

「構造計算とは」の理解をする必要があったので強制的に勉強できましたが

そうでなければ理解することはなかったと思います。

また、弊社の構造設計者とは20年来の付き合いで、

県内どころではないくらい有名な方で本当にたくさんのことを教わりました。

そのおかげで今の私があり、弊社の強みにもなっています。

先日、SNSに4月からの建築基準法大改正で

基礎にフックが必要になるからと大慌てしている様子が書いてあったりしたのを見て

「フックのことを教えてもらったのっていつだろう??

もう思い出せないくらいはるか昔だ」と

思えたことはたくさんの知識を教えていただけたおかげだと思います。

問題は「フックを施工しなければならない」ことではないんですよね、、、、

「なぜフックが必要なのか」

「フックは何のためにあるのか」

がわからなければちっとも知識も経験も増えないのです。

弊社はすばらしいブレインに囲まれ、またそれを活かした仕事をしていて、

一軒ごとにさらに知識と経験が増していっています。

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