住宅資材が高騰する中でフルリノベーションに注目が集まっていますね。
フルリノベーションの最大のメリットは
「大きな家で豊かに暮らす」だと思います。
耐震性能や断熱性能を改善しないリフォームとは違って、
リノベーションは性能のアップデートをします。
そのため、「リフォームのほうが新築よりも安い」は必ずしもそうではありませんが、
基礎や柱や梁などの構造部を再利用するぶん、
同じ予算なら新築よりもフルリノベーションのほうが
大きな坪数まで対応できる場合が多いです。
もちろん、新築よりもリノベーションのほうが高価になる場合もあります。
それにはいくつかの原因があります。
①あまりにも既存の柱や梁を無視した間取りにする
②某リフォーム番組のようにジャッキアップをして基礎までやり直す場合
③高価なものを使いすぎた場合
木材は2m(1間)、3m(1.5間)、4m(2間)の
長さが基準になっているので家を造るにはどこかで継ぎ目があります。
(一般的に1間は「いっけん」と読み、1.5間は「いっけんはん」と読みます)
LDKの概念がない時代の建物は木材の長さを基準として、
1.5間角が4.5畳
1.5間×2間が6畳
2間角が8畳
という基本的なスパンで間取りが構成されているので
柱や梁も基礎もそれに準じて配置されています。
ところが、現代のLDKの間取りでは
それ以上のスパンで構成されることも多くなりました。
集成材の登場で天然材では難しかった長いスパンも容易になったからです。
新築の場合には基礎も何もかも長いスパンに対応するように
初めから準備するわけですが、
フルリノベーションの場合には元の間取りが昔のスパンで構成されているので
たとえば柱を抜いて広い間取りにする場合には梁の補強や、
基礎を新たに新設したりという工夫が必要になります。
なので、元のスパンを無視しすぎた間取りにしようとすると高価になります。
また、ジャッキアップをして基礎をやり直すとなると、
ジャッキアップをする費用が余分にかかるわけなので新築よりも高価になります。
高価なものを使いすぎることで総額が上がるのは新築も同じですね。
新築よりも大きな家でたとえば一般的な床材に比べて何倍もするものを使えば
リノベーションとはいえ当然に高価になってしまいます。
しかし、これらのことは解決できます!
①は元の建物の構造と現代の建物に求められる構造の両方を理解し、
それに基づいて間取りを考えることができれば解決できます。
②についても、ジャッキアップしてまで基礎をやり直す必要があるかどうかを
きちんと見極められるかどうかが大きなポイントになります。
③に関してもご希望に近くお求めやすいものを探せるかどうかがカギです。
つまり「建築業者の腕」が大きなポイントになります。
元の構造を上手に利用して最新の間取りにアップデートするのも
既存の基礎の状態をきちんと把握するのも
商品を探すルートをしっかりと持っているのも
すべて「建築業者の腕」です。
これは会社が大きいかどうかではありません。
先日書いたブログの通り、「知識と経験があるかどうか」
お客さまの大きなご希望で元の構造を一部、大きく変更する場合でも
現代の基準まで性能を押し上げることができる。
前面道路の関係で建て替えるときにはセットバックが必要で
今の建物よりも小さい建物になってしまう場合には
ジャッキアップをしてまでリノベーションを勧めることも選択肢に入れる。
お客さまの希望の商品のメリットとデメリットをしっかりと伝えることができる。
すべて知識と経験が必要です。
リノベーションの最大のメリットは
同じ予算ならば新築よりも大きな家まで対応できること
そして、やりたいことと、やれることの高バランスを保つためには
しっかりとした参謀(建築会社)が必要です。
フルリノベーションの場合には新築とはまた違ったノウハウが必要なので
「きちんと建てることができる会社選び」が必要ですよ。