唐松岳を登った後、初めて黒部ダムを見に行きました。
長野県側からのアクセスは扇沢駅から電気バスに乗ります。
長いトンネルの中をバスが走っていくのですが、
途中、破砕帯を貫いたところを通ります。
破砕帯とは、細かなヒビがたくさん入った岩盤の隙間に
ものすごい量の水が入り込んだ軟弱地盤で毎秒660lの水が出ていたそう。
この破砕帯が80メートルの長さであったようなのですが、
たった80メートル進むために7ヶ月もかかったそうです。
黒部ダム建設のための建設資材運搬経路としてのトンネルの建設ですらすでに規格外
厳しい冬も工事していたわけでとにかくすごいの一言です。
奮い立つものがありました。
黒部ダム建設のための着工は昭和31年
現代とは技術も、重機も何もかも違う。
パソコンもレーザーなどの電子機器も満足にない中でどうやって
正確に作ったのだろうと思います。
技術や重機などの違いを補うのはマンパワー
とてつもない人力の成せる仕事
ダムに着く前のトンネルの時点でそれを感じます。

デカい!
こんなに大きな構造物を人の力で創り上げる
すげーーーー!!!!
頭の中ではプロジェクトXのテーマ曲が繰り返されていました 笑
本当にすごい!

コンクリートを運ぶバケット
一度に運べるコンクリートは9立米
単純に底の面積が約2.1メートル角、高さも約2.1メートルと想像できます。
1日の最大打設量が8600立米だったそうなので
このバケットを1日に960回も運んでいたということ
ちなみに一般的な2階建の家の基礎に必要な立米数は15~18立米程度
1日あたり500軒近い家の基礎を作り続けていたということと同じです。
スンゴイ量のコンクリートで黒部ダムはできています。
働いた人の数は1000万人だそうで、
171名の尊い命が失われながらも7年の歳月をかけて完成しています。
まさしくマンパワー!
そして、実は黒部ダムは登山にも関係しています。
黒部ダムなどを建設するにあたり調査のために作られた旧日電歩道
これは下ノ廊下と呼ばれ、今でも登山者が通っていたりします。
が!
雪深いところなので通れるのは9月から雪が降り始める11月までの2か月程度
そして、超断崖絶壁を歩く上級者コースです。
建設業界にいる人が黒部ダムを見ると圧巻の一言だと思います。
来年は富山県側から回り込んでみようかな。