暑かった夏がようやく過ぎて
今度は朝晩がよく冷える季節がやってきましたね。
人はないものねだりで寒くなると
「あったかくならないかなぁ」と思ってしまいますね 笑
さて、今日は「ノウハウ」について
「ノウハウとは」で検索すると、、、
ノウハウとは、専門的な知識や技術、物事の進め方や手順を指す言葉で、
英語の「know(知識)」と「how(やり方)」を
組み合わせた「know-how」が語源とのこと。
あらためて言葉にすると、なるほどですね。
建築はノウハウのかたまりと言っても過言ではないかと思いますが、
建築は2つのパートに分かれます。
ひとつは図面上(設計上)のこと
もうひとつは現場での施工のこと
いくら図面上で素晴らしくても施工がダメでは成り立たないし、
その逆でも成り立ちません。
どちらにも知識(know)と、それを具現化する能力(how)が必要です。
設計に必要なノウハウで言えば、
いくら色のセンスが良くても
いくらオシャレな物を知っていても
構造や仕上げの部分をどうやって施工するか
(どう納めるか)を知らなかったら図面は描けないし、
非効率な構造になったり、職人まかせのおかしな納まりになります。
知識は建築士免許があれば大丈夫かといえば大きくNOです。
建築士免許はあるけど知識がない状態はよくあることで、
簡単に言うと
「高性能なスマホを持ってるけど使い方を知らない」
という状態です。
試験用の勉強でたくさん得た知識はあるけれど、
それを現場でどのように、どこで使えばいいのかを知らないという感じです。
たとえば構造力学
断面二次モーメントという計算があります。
幅×高さの3乗を12で割った計算なのですが、
この式をどのシーンで、どう使えばいいのかを
1級建築士でもほとんどわかっていないと思います。
ところが、この式は新築でもリフォームでも必要不可欠で
ものすごく大切な検討をするための式になります。
これがわからなかったら安全側の考え方がどうなのかの判断もできません。
建築士として自己がどう判断するかの根拠もない状態であり、
いわゆる「設計者判断」ができないということです。
施工側のノウハウを得るためにもっとも意識することは
「まじめに仕事をしていたけど知らない間に良くないことをしていた」
を避けることです。
たとえば梁を欠きこまないといけないことが起こった時に
どこをどういう風に欠きこめばいいのかを自己の経験のみで判断したり、
耐震金物が金物本体と付属のビスのセットで認定を受けていることを無視して
「固定できればビスはなんでもいいんだろ?」という施工の仕方をしていたのでは
図面上で求められる性能は発揮できません。
いくら腕が良くても、いつまでも素直に、かつ真摯に
正しい経験を積むことで正しいノウハウが増えていきます。
そして、設計者だけでも現場で作業する職人さんだけでも
正しいノウハウは手に入りません。
構造のことは構造設計者に、
商品のことは代理店に、
etc...
いろんな人たちが集まって、きちんと検討することで
お互いに正しい知識も経験も増えていきます。
設計者と施工者のあいだを取り持つブレインがいなければ
正しいノウハウは成立しません。
なので、ノウハウは「ローマは一日にしてならず」
何年もかかって蓄積されていくもの
だからこそ建築会社選びがとても大切になりますよ。