大工の腕の見せ所 ~気密試験~

エアコンを作った人にノーベル賞をあげたい 笑

そんな溶ける毎日、今日は大工さんの腕について。

昨日、気密試験を行いました。

こんなバズーカを設置して気密試験は家全体を真空状態にして、

家全体の隙間の面積を割り出します。

隙間面積として値がCで表されて、

このC値、現場の大工の腕に大きく左右されます。

隙間があればあるほど空気が漏れてしまうので、

大工の腕が粗かったらC値が悪くなってしまいます。

このC値、1.0を切る数値だとかなり高気密ということになります。

1.0を切る住宅は日本中でたった3%しかありません。

超大手ハウスメーカーの建物でも構造上、C値3~5だったりします。

気密試験を行うとき、換気扇の穴などは一応ふさぎます。

ココが空いてると真空にならずにスカスカになって計測できないので 笑

前日に汗だくになりながら換気扇とかをふさいでいざ計測!

バズーカの中にはファンがついていて、室内の空気をどんどん室外に放出します。

すると隙間があればそこから空気が流入するのでC値が出るというわけです。

が!

ユニットバスと躯体のあいだがうまく養生できておらず空気が入り放題!笑

ぶほっ!あかんやん!計測できんやん!!!!

と思ったのですが、なんとか計測できまして

計測値は0.8になりました。

ユニットバスの養生がきちんとできていたら数値は上がるので

日を改めて再計測となりました。

おそらく最終着地は0.6~0.7前後になると思います。

「1とか0.6とか言われてもさっぱりわからん」

と思われるかもなので説明しますね

家全体を1m角のサイコロに見立てて、

その中で1センチ角の隙間がある状態がC値1.0です。

今回はユニットバスのところを塞ぎきれてなかったのに0.8

1m角のサイコロの中で0.8センチ角の隙間しかないということです。

そして、C値を計るうえでもう一つ大事なのがn値です。

これが1~2の間の数値として出るのですが、

1に近いほど、一つ一つの隙間がものすごく小さくて、

2に近いほどどこかに大きな穴がぽっかり開いているという指針になります。

今回は1.56

これもユニットバスの養生で大きめに出ていますが、それでも1.56です。

昨今の高気密住宅を掲げているハウスメーカーの目標はC値0.5程度

高気密を掲げて対策をしても目標が0.5程度なのですが、

弊社は高気密を掲げていません。

特別な高気密対策をせずに普通に計測しただけです。

それでも高気密と言えるC値1.0以下を達成するのは

隙間なく施工できている証で大工の腕によるところです。

ちなみにUA値は0.55

ZEH基準で太陽光発電を載せて楽々ゼロエネルギー生活です。

でもUA値にしてもC値にしても弊社よりももっと高性能な住宅ありますよね。

なぜ弊社はそこを目指さないのかというと、、、、

体感できないからです!

去年の10月に長期優良住宅認定のUA値基準が

0.87から0.6に引き上げられました。

UA値もC値も数値が小さければ小さいほどいいのですが、

0.87の時は正直言ってザル状態でした。

何もしなくてもいいと言ってもいいくらいUA値0.87は

簡単にクリアできました。

ですが0.7までは簡単に数値が落ちますが0.6以下まで落とそうとすると

例えばサッシを高断熱サッシを使ったり、断熱材の厚みを増したりと

いろんな工夫が必要になります。

イコールお金がかかります

それなのに0.6以下になっても体感はおそらくわかりません。

人間UA値観測器の私の感覚で0.7以上はもう普通の住宅

暑いし寒いし、です。

0.6近くになると、冷暖房の効きが異様に早くなります。

たとえば、今の季節、お出かけから帰ってきたら

「あー!暑い!窓開けろ!エアコン全開!」

少し冷えてきたら

「窓閉めろ!エアコン全開!」

だと思うのですが、UA値0.6程度になると

「ただいまー、はー疲れた、、、えっと荷物を置いて、手を洗って、、、、

あ、そうだ、エアコン掛けよう」

くらいの余裕があります。

それと、エアコン稼働して10分もすればものすごく涼しい状態になります。

冬はお出かけして、夜中に帰ってきてもまだLDKはほんのり暖かくて

底冷えはしません。

ところが、UA値0.5を切ったとしても、お金をかけて数値を上げたのに

0.6との体感の差は感じられません。

リクシルに断熱体験ができる施設があって、

確かUA値0.4台だったと思うのですが、

オープンハウスのたびに温度計測をして人間UA値観測器になってる私でも

0.4と0.6の差がわからない。

屋根も外壁も、キッチンも床材も建具も何もかも最高級&高性能にできれば

それは最高でしょう。

でも予算としては?

弊社の住宅は高品質&高バランス

きちんとした家にするために耐震等級3の長期優良住宅認定を標準工事とし、

長期優良住宅の基準であるUA値0.6以下の高断熱になり、

大工の腕でC値は1.0以下

それでもし予算があるならさらなる住宅性能を求めるのではなく、

キッチンや床材などの肌に触れるもの、毎日使うものを

充実させませんか。

きちんとした家を建てればおのずと性能はついてきますよ。

その一番大切な構造部分を大公開!

8月19、20日に構造見学会を開催!

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