不具合の境界線ってむずかしい

散髪いかなくちゃ

清潔感は大事なので今日の仕事終わりでいってきます!

さて、今日は不具合の境界線について

不具合は大きく分けて二つあると思います。

ひとつは仕上げ部分の「見える部分」に表れるもの

もうひとつは下地や構造部分などの「見えない部分」に表れるもの

前者は

クロスがなんだか膨らんでる

なんだかドアが枠にこすれてきちんと締まらない

床がギシギシと音がしている

などなど。

後者は

石膏ボードの継ぎ目が大きく開いている

柱や梁に欠き込みがある

などなど。

どれも、一般の方がお読みになられたら皆様びっくりするでしょう。

でも、プロの方がお読みになられたら「ふ~ん」でサラリとお読みになるでしょう。

どれもよくあることなのかと言えばよくあることになります。

だけど、大きな対策が必要なことと、そうでないこと

それから施工ミスなのか、それとも仕方のないことなのか

そしてミスだとして、うっかりなのか、故意なのか

これらの検証は必ず必要です。

現代の建物のクロス下地は石膏ボードが多いと思いますが、

20年くらい以前はベニヤ材での下地が多かったのですが、

クロスを施工するとき、糊を使います。

この糊を下地のベニヤ材が吸い込んで膨らむということがよくありました。

これはクロスを貼った時はわからなくて、数日してから膨らんできてわかるので、

取り扱い説明の時にあらかじめお客さまに

施工ミスとかではない旨を説明してました。

じゃあ、石膏ボードなので膨らまないのかというと実はこれも時々あります。

クロスを施工するとき、石膏ボードの継ぎ目などをパテ処理して平滑にします。

このパテが糊の水分を吸い込んで膨らむこともありますし、

木は天然のものなので、年輪の向きによって反りが出ます。

反りが出ると、下地も何もかも一緒に引っ張られます。

とはいってもそれは1mmもないくらいの動きだったりするのですが、

クロスの柄や壁に当たる光が斜めからだったりするとよく目立ちます。

でもでも、すべてがそうかというと注意するべきものもあります。

建築は人が造るもの

そして、建築は責任を後ろに送ることができます。

石膏ボードは大工さんが施工します。

継ぎ目もきれいに施工する大工さんもいれば、

「多少荒くてもクロス屋がパテ処理で何とかするだろ」の気持ちで

作業する大工さんもいます。

前者の大工さんが施工して、クロス屋さんも問題なく施工したけど

クロスに不具合が出た場合には↑に書いたような不可抗力な不具合になります。

後者の場合にはこれは元請け会社の現場管理能力と、

そして「うちの会社はこうしてくれればOK」の自社基準の低さによっておこる

不具合になります。

ドアの不具合も同じくで、

家の中には「なじむ」必要があるモノ・コトがたくさんあります。

いくらきちんと調整していても、実際にお住まいになって何度か開け閉めして

なじんでくると多少建てつけが変わります。

この場合も髪の毛ほどもないほんの少しの差でドアがこすれたります。

でもこれも、

「多少きちんとしてなくてもドア本体の調整でなんとかなるだろ」

で施工していたら、、、

不具合が出るのは当然になります。

柱や梁の欠き込み

リフォームの際に解体してみると欠き込みがある場合が結構たくさんあります。

昔はよく前建物を解体したときに「使えるものは使おう」で

木材を再利用していることがあって、その場合には前建物の加工部分が

欠けたまま使われていることもよくあります。

でもでも、中には「この欠き込みは不必要だったはずなのにな、、」

というものもあります。

そして

欠き込みができてしまった場合、「どう補修するのか」が大きな問題となります。

良く使われる柱の大きさは10.5センチ角です。

いったいどのくらい欠き込みがあると危険なのでしょうか?

答えはナイショ

ノウハウにもつながることなので書けません。

感覚からの話ではなく、きちんとした理論に基づいた知識で判断できるかどうか

これがとても大切と思います。

書きながら自分自身でも思うのは

結局、一番大切なことは

「お客さまのために」をどこまで思えるかなんだろうなと思います。

常に現場管理をしっかりとしていれば大きな不具合は避けられます。

でも、木という天然のものを使う、

それから「なじむ」が建物には必要なので時には思わぬことも起こりますが、

「よくあることなんで」で片づけずにどう判断して、どう対処するのか。

これが大切だなと感じます。

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