少しの手間を惜しまずに建てる

風が強いですね~

そして寒いですね~

でも明日、山に登ります 笑

さてさて、今日は何気ない現場から。

リフォーム現場の何気ない一枚

工事途中のものですが、ビスを打つ位置に線が引かれているのわかりますでしょうか。

「墨を打つ」と一般的に言いますが、簡単に言えば下書きの線のことです。

線の位置に天井下地が入っています。

墨を打つにはまず、片方の端に行って墨糸のピンを刺します。

それから反対側に行って墨ツボを引っ張ってパチンと糸をはじいて墨を打ちます。

これが一カ所だけならいいですが、

大きな部屋の中で天井も壁もいたるところに墨を打ちます。

その時間って実はバカにできません。

もしも墨を打たなかったら作業はたぶん1.2~3倍、早くなると思います。

そのかわり、墨なしでビスを打つわけですから、しょっちゅう下地のないところにビスを止めることになって

大工は感触で下地のないところにビスが施工されているのはわかりますから

ビスの位置が整然とせずあちこちに二度打ちした跡ができます。

それらはクロスを施工する際にパテで隠れてしまいます。

隠れてしまいますが、きちんと施工できなかった事実は残ります。

でもでも、それはお客さまにはわかりません。

きちんと施工するためには適正な時間と手間が必要になります。

特に築年数が経っている建物のリフォームの際には

10件中10件が床から天井までの間で

2センチくらい歪んでしまっていることは当たり前のことなのですが、

もしも、1週間かかる作業を3日でやってくれと

大工に頼んだらやってくれるでしょう。

そのかわり、歪みを直しながら作業することなんてできません。

きちんと墨を打つことも当然できません。

壁下地の石膏ボードの継ぎ目が少々開いていても、

壁の歪みを無理やりに抑え込むように石膏ボードを施工することになっても

関係ありません。

早く施工するということはそういうことなんです。

施工技術の高さを発揮するには丁寧に施工する時間と手間が必要。

大工の世界では大谷翔平選手の二刀流のように

技術と速さを両立することは絶対に不可能です。

しっかりと施工できるけど、倍の時間がかかる(手間がかかる)

これはダメです。

この逆に早く施工できるけど、技術に関してはサッパリ

これもダメです。

適正な時間をかけて、しっかりと施工する

これを常に心がけてきちんと仕事をする

そんな大工しか弊社では使いません。

いくら安くても、いくら早くても肝心の建物が

無茶苦茶というのは弊社のスタイルではないんです。

「きちんと建てる」

これは絶対に外せない弊社の誇りでもあります。

天井に打ってある墨を見て、これからも毎日しっかりと仕事をしたいと思った一コマでした。

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