SNSを参考にすると良いところとそうでないところ

さて!

早速ですが、今日はSNSをどう参考にするかについて書きたいと思います。

インターネットが出てきてから建築業界はがらりと変わりました。

インターネットが出てくる以前は、

自分が住んでいる地域のどこにどんな建築会社があるのかすらわからない

その建築会社がどんなことが得意なのかもわからない

床材などの商品も建築会社の担当者の知る範囲でしか情報がない

建築に必要なこととそうでないことすべて、建築会社の言うことだけが頼り

だから、いい意味でもそうでない意味でもになりますが、

会社の存在を知っている同じ町内にある建築会社に

お願いすることが多かったと思います。

しかし、インターネットが登場して、

例えば北海道の人が沖縄で作ってる商品情報を知ることもできるし、

建築会社の特徴などもホームページなどで比べることができるようになりました。

そして昨今のSNSの登場で今度は「映える」ことに

焦点が集まるようになっています。

SNSでは私たちプロも含めてデザインなど多くの情報が手に入ります。

私自身も参考になりそうなものをいつも保存して参考にしています。

SNSを見ることで

木の家なのか、洋風なのか

無垢材の床材なのか、メーカーなどの床材なのか

黒が好きなのか白が好きなのか

などなど

自分でも気づいていない自身の好みを知ることができますよね。

SNSの一番良いところは自身の好みを知ることができるところだと思います。

じゃあ、SNSのデメリットはというと、、、

大きく3つ

ひとつは、インターネットすべてに言えることかもしれませんが、

書いてあることがすべて正しいとは限らないし、

投稿者の意図もSNSからは読み取れないことも多いです。

もうひとつは、値段がわからないこと。

最後に写真は加工されていることが多いので実物とイメージが違う場合があること。

です。

たとえば、内装建具で、

ものすごく細くて本数が少ない桟を使って開口をとても大きく開けた大型の建具

デザインとしてはとても素晴らしいですが、

桟が小さく本数が少ないとガラス部分がガタガタと揺れやすくなります。

また、建具本体の耐久性も当然に低くなりがちです。

でも、構造に関係するものではないので

その基準はデザイン担当者の判断となります。

ラフに使っても大丈夫なものを提案するのか、

多少、使い勝手に気をつかうことを前提にしているのか

デザイン担当者の意図は完全にSNSからは読み取れません。

また、構造に関係することも

たとえ工法の順番が違っていても構造計算などの裏付けがあって

あえてそうしているのか、

それとも自身の経験だけで判断して、

正規の方法を知らずにSNSに投稿しているのかも

SNSからは完全に読み取ることはできません。

また、デザインや素材が素晴らしいものがたくさんありますが、

値段は書いていません。

たとえばダイニングチェア

Yチェアって皆様ご存じでしょうか

「Yチェア」で検索いただくとすぐに出てきますし、

見た瞬間に「あー、よくLDKの写真で飾ってあるのをSNSで見たことある!」

と感じる方も多いでしょう。

このYチェア、1脚で13~15万円はします。

チェア4脚で60万円

デザインが秀逸している建具もそうですが

SNSに似たような投稿があちこちにあるからといって安価とは限りません。

そして写真はだいたい加工されています。

たとえば白木でも色温度を上げて写真加工すると

飴色のいい感じの色合いになります。

なので、もし素材に桧と書いてあって形も何もかもソックリに作っても

写真とは違うイメージになる可能性もあります。

色んな情報を簡単に集められる昨今、

SNSにはたくさんの良い事例がありますが、見すぎると迷いもたくさん出ます。

そんなときは保存している写真を見比べてみるといいかもしれません。

好みがバラバラになっていたら右往左往しているかもしれないので、

あらためて見返して自分の好みを整理してみましょう。

それを繰り返すことで好みがまとまってくると思います。

また、建築会社さんにSNSの写真を見せることは

イメージを伝えるうえでとても重要です。

同じものを作るつもりではなく、あくまでも参考と考えて、

まったく新しいものを作る気持ちで建築会社さんと改めて素材含めて

検討してみると良いものが出来上がると思いますよん。

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