今日は休日出勤
最近は出張が多いので日曜に内勤です。
雪が降ってスキーに行きたかったけど、お仕事がんばる!
能登半島地震で被害に遭われた皆様の日常がはやく戻りますように。
いままで大きな地震が起こるたびに建築基準法は改正されてきました。
旧耐震から新耐震へ
金物の施工の義務付け
そして耐震等級の設置
などなど。
建てては潰れ、、、を繰り返し、構造計算などない時代から
地震が多い日本でははるか昔から地震への対策を追い続けてきました。
お寺の屋根ってとても出っ張ってますよね?
あんなに出っ張ってるのになぜ壊れないんでしょう?
屋根が出っ張ってると、
柱に対して屋根が垂れさがる(下向きに回転しようとする力)がかかります。
そのままだと当然に地震がこなくても自重で屋根が垂れさがって壊れます。
ところが先人たちはこんな工夫で対処しました。
お寺などの屋根でよく見かける桝組です。
段々になっているのですが、この段々によって力を逃がしているのです。
想像してください。
重たいものを持つ時、片手より両手、両手だけより頭も加えて3点支持で
持つほうがより重たいものを持てますよね。
この桝組は三つ又になっている=力を分散して持っているのですが、
一段よりも二段、二段よりも三段、、、という感じで段を増やすことで
さらに力を分散させていって、柱に力が伝わるころにには
とうとう回転しようとする力がゼロになる=壊れない
という仕組みになっています。
この段々のことを一手先、二段なら二手先といいます。
東京スカイツリーも実は木造の概念が使われていて、
実は五重塔って地震で壊れたことないの知ってました?
内部に芯棒が入っていて制震の役目を果たしていて、
スカイツリーはそのメカニズムを使っています。
スカイツリーの構造 (クリックいただくとリンクに飛びます)
おっと!前置きが長くなりましたが、
地震に耐えるためには3つの方法があります。
耐震
制震
そして免震
似たような言葉ですが、全然違うものです。
まずは耐震・・・・地震に「耐える」構造
耐震は単純に地震の力に対して建物本体の力で耐える構造のこと。
耐震等級などはこの考え方で、
ここではわかりやすく耐震等級1を100%とすると、
耐震等級2は125~150%
耐震等級3は150%以上の耐震力を持っています。
「デカい地震が来るのなら来てみろ!ムキムキにして耐えてやる!」な考え方です。
制震とは、地震を「制する」構造のこと
わかりやすく書くと耐震補助みたいなもので「最後のひと粘り」をしてくれます。
建物は耐えられないほどの揺れになると壊れるわけですが、
建物が持っているもともとの耐力に加えて制震ダンパーなどを追加することで
地震力が建物に与える影響をマイルドになるように抑制する構造です。
「地震が来た時には後ろから少し援護するよ」な考え方です。
免震は、地震を「免れる」構造のこと
ことわざで言えば「柔よく剛を制す」
地震は地面から来ます。
その地面から来た地震力をそもそも建物に伝えない、それが免震構造
「地震?そんなの戦わずに逃がしちゃいな」な考え方。
力には力で対抗ではなく、
相手が力技で来たとしても柳のように力を逃がして戦います。
漫画 北斗の拳でラオウが剛の力で攻めても
力を上手に逃がして互角以上に戦うトキ、それが免震構造です 笑
耐震構造は単純に耐力壁を増やすことで地震に対する力が増します。
住宅でいえば新築、リフォームを問わず一番一般的な工法です。
制震は制震ダンパーなどを採用することで地震力に対抗し、
数十万円程度で施工でき、リフォームなどでも使われています。
免震構造は、建物の基礎の外側に免震層を作り、そこで地震を吸収するので
スペースも費用も一番かかります。
免震層は簡単にいえば地下室を作るようなもの。
基礎の外にもう一つ地下に掘り下げた基礎を作るのですからすんごい大工事です。
数百万円かかります。
長くなったので続く―
次回は「耐震性能を上げるためには窓を小さくしないといけないの?」に触れます。