キッチンにはどんなスペースが必要?

今日は寒いですねー

風も強くて、現場を見てるとき手が寒さで固まります 笑

さて、今日はキッチン設計について。

キッチンってどんな形が理想ですか?

対面?

L型?

ダイニングテーブルと一体型?

いろいろお好みがあると思います。

LDKの考え方が一般的になってきて、

新築では対面キッチン、

リフォームでは台所と隣の部屋を一体化させてLDK化

というのが多くみられるようになったのは25年ほど前からでしょうか。

昔の台所は単に食事をするだけの部屋で、

「くつろぐ」という概念がありませんでした。

家で法事などをする機会も多く、

大きな食器棚にたくさんの食器、流し台の中にも大きな鍋がたくさんありました。

今では、法事などは家で行うことも少なくなって食器は家族分があれば足りるし、

お料理をしながらリビングでくつろぐ家族と団らんをする大切な

スペースになっていますね。

そんな昨今のキッチン事情、、、、

よくテレビで100円ショップに売っている箱などを使って

キッチンの整理のアイデアが出ていますが、、、、

新築でもリフォームでもそうなのですが、

建築の際に余裕のないキッチンにしてしまうと

使い方に「工夫」が必要になってしまいますので

私はかなり広めにキッチンを設計します。

なぜなら、キッチンの使い方は常に進化していくからです。

例えばティファールの代表される電気ケトル

すぐにお湯が沸いてとても便利ですね。

今ではお使いの方も多いですが昭和の時代からあるかと言えばなかったもの。

つまり昭和の時代から比べると必須アイテムが増えたことになります。

電気ケトルを一つ買っただけで置き場所を確保しなければならなくなりますが、

余裕のないキッチンだと「置き場所の工夫」が必要になってしまいますので、

これから先の未来でまた便利なものが出てきても置きやすいように

少し余裕を持ったスペースとしたいですね。

大事なのは「壁」と「動線」

食器棚や電子レンジなどを置く台とは別にちょっとした棚を置きたいとき、

余裕のある壁面がなかったら窓や通路に棚がはみ出してしまいます。

キッチンに限らずにはなりますが、物を置いたり並べたりするためには

「壁」をどう配置するかがとても重要になります。

大きな窓があったり、キッチンの周りが開放的になっていることは

とても映えますが、あらかじめ物を置くスペースに余裕を持っていないと

後々「工夫」が必要になってしまいます。

工夫はストレスの裏返し

これは動線にもいえることで、対面キッチンの場合に

リビング側を少しでも広げるためにキッチンと背面の食器棚スペースとの

通路部分をギリギリまで狭くしようとすることがあると思います。

この場合もギリギリすぎると例えば今日買い物してきた物を

床に仮置きしようにもスペースがなかったりしてとてもストレスが溜まるでしょう。

また、キッチンが引き出し型の場合、

引き出しを引き出すにはご自身がかがんで=お尻が後ろに下がるので

通路が狭いと背面の食器棚に体が当たってしまって全開にできません。

よく通路幅の基準は90センチといいますが、

これは対面キッチンが一般的になり始めたころの名残と記憶しています。

キッチンから背面の食器棚に振り向いたとき、

一歩で振り返れる幅が90センチと当時によく聞きました。

ですが、その当時は開き戸のキッチンがほとんどだったし、

お客さまが求めることや、私たちプロが気にかけることもだいぶん変わりました。

そう考えると、私の感覚ではいまや90センチでは狭いと感じます。

近年、「小さく建てて豊かに暮らそう」というキーワードをよく見かけますが

コンパクトにまとめすぎると余裕がなくなりますので注意が必要ですね。

でもでも、建築敷地や予算の関係で建物自体が大きくできず

キッチンにあまり余裕がない場合はどうすればよいのでしょう?

その場合には「どこから90センチ?」によってスペースが全く変わります。

食器棚の奥行きはだいたい45センチ

冷蔵庫の奥行きは60センチ以上

食器棚から90センチと考えるのか、

冷蔵庫から90センチと考えるのか、

この差15センチは非常に大きい差です。

スマホ一つぶんの差

されどスマホ一つぶんの差

リビングのように広いスペースなら15センチは気になりませんが、

90センチの1/6ものスペースになりますので

侮れません。

じゃあ、この15センチをリビング側でどうカバーするのかと言うと、、、

対面キッチンの場合、ダイニングスペースとの間に腰壁ができますよね。

この腰壁、普通に作れば12センチくらいあるのですが、

この壁を少しでも薄く作れば数センチカバーできます。

まずはキッチンに必要なものを書き出してみましょう。

食器がどれくらいあって、

それを入れるための食器棚がどのくらい必要なのか。

電子レンジやトースターなど必要なスペースがどのくらいあるか。

冷蔵庫は大型?それとも標準的な大きさ?

そして大事なこと

ゴミ箱を設置しますか?

毎日、外にごみを出す習慣がある方と、

室内でゴミ箱を設置して仕分けをして、

まとめて出す習慣の方がいらっしゃいますよね。

外にごみ箱がある方の場合にはゴミ箱スペースが省けますが、

室内にごみ箱を置く場合にはそのスペースが必要になります。

そして、これはキッチン部に勝手口をつけるかどうかにも連動します。

ゴミ箱スペースは使い勝手も関係するし、匂い、

それからリビングから見える位置にごみ箱を設置するかどうかなど

色んな事に関係します。

毎日使うところだし、

人によって冷蔵庫の位置がコンロの真後ろに欲しい人もいれば、

リビングから冷蔵庫が近くなるように設置したい人もいる。

それによって設計のポイントも大きく変わります。

キッチンは設計のなかで大きく時間をさいて検討する大きなポイント

ゆっくりと考えたいですね。

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