フルリノベーション開始! まずは調査・解体工事から

フルリノベーションの工事が始まりました。

まずは解体工事から開始

厳密に言えば解体ではなく既設調査です。

毎度のごとく、解体工事の際にはいろんなことが見えてきます。

あるべきものがない

ないはずのものがある

これらのうち、予想できるものと、そうでないものに大きく分かれ、

予定していた工事ができないこともしばしば。

今回の工事では家全体に断熱材がゼロでした、、、

一部、壁をそのままに既存の断熱材+その上から新たな断熱層を

作ろうとしていたのに断熱材ゼロとなれば壁を剥がして予定変更です。

ですが、それ以外は良い意味で想像以上!

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まず屋根下地

この時代はまだまだ製材技術がよくなくて、写真に写る屋根下地の

野地板と呼ばれる板材が幅が広かったり細かったりして隙間だらけで、

それはすなわち、

屋根の上に上がるとポキリと折れて使い物にならなかったりするのですが、

これは板幅もそろっていて非常にきれいです。

そして、雨漏れした跡などもなくグッド!

外壁も雨漏れや腐ったところもなくとてもきれいです。

これだけキレイのはなかなかないです。

たぶん過去イチです!

ただ、、、、

構造的なことで言うと、

筋かいがほとんど入っていない(写真に写る中に一本もありません)

梁がとても小さい(現代で弊社新築なら写真正面の柱の上の梁は3倍の大きさです)

金物も入っていない(金物施工義務ではない時代ですが、それでもゼロはだめです)

でもノープロブレム!

弊社のフルリノベーションは構造計算にて再計算いたします。

なので、そもそも構造に関しては既設の筋かいや金物はあてにしてません。

車のレストアに例えれば、筋かいや金物は部品なんです。

部品はもし壊れていても新品を取り寄せたり、

流用品などでカバーすることができますが、

部品を取り付けるボディ側が錆びていたら

部品が取り付けられないので困りますよね。

それと同じで、建物本体がシロアリ被害や

水が漏れて腐ってるところがあったりしたら

筋かいや金物を取り付ける前に建物本体の補修が必要になってきます。

しかもそういう補修って、

例えば外壁の一部を剥がしたら、アッチもコッチもダメだ、、、、と言う感じで

「どこまで直そうか、、、キリがない、、、」になるんです、、、

なので、今度はどこまで補修するかも考えなければならなくなるのですが、

今回はとてもきれいので想定外のイレギュラーが少なくて済みそうです。

梁に関しても既設梁は小さいですが、

既設に新しい梁を足して補強しますので問題ありません。

ちなみに、、、

「梁を補強」といってもただ単に既設の梁の下に新しい梁を施工するだけだと

それは補強とは言えません。

「構造計算を使う」という言葉を聞くと

すごいことのように聞こえるかもしれませんが、

すごいのは計算ではなくて、大切なのは、

計算を実際の現場でいかに活かすか

どう具現化するか

図面上では納まっていても現場では納まらないということが絶対に起こりますので

それをどうやって解決するのかがフルリノベーションでは必須になります。

図面を読み解くこと

図面通りに施工できない場合の対策

これらが「勘」ではなく根拠のある「知識と経験」で

解決できなければフルリノベーションはできません。

まだまだ調査は始まったばかり

ワクワクいたします!

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