モルタルなど左官仕上げの外壁や内壁はいずれヒビ(クラック)が入ります。
大きな理由は乾燥収縮ですが、クラックには大きく分けて二つあります。
ひとつは乾燥収縮クラック
もうひとつは構造クラック
乾燥収縮クラックはその名の通り、乾燥収縮で入るクラックです。
モルタルの外壁にはこんな感じで目地が各所にあります。

最近はノンクラック工法が出てきましたが、基本的には目地が入ります。
目地は
「割れるならアチコチで割れるんじゃなくて目地で割れてくださいませ」
の役割ですので、いつかは目地で割れてきます。
収縮クラックの特徴は垂直・水平
建具などの角から割れることを除いて、
基本的には垂直・水平方向にまっすぐ割れるのが特徴です。
対して、構造クラックは割れ方が斜めに割れます。

中央が✕型に割れているのわかりますか?

これはこの壁が地震で左右に揺れて、割れたもの
壁が平行四辺形になるときに対角で斜めに割れます。
収縮クラックと違って構造クラックには注意が必要です。
構造クラックが入る=地震の時に大きな力が掛かる壁ということ
その大きな力で壁が壊れてる=大きな力に耐えられていない可能性があります。
耐えられているから壁のヒビ程度で済んだとも言えるので
悪いと決めつけるわけにはいきませんが、
耐震改修をするかしないかの現地調査の際には大きなポイントになります。
ヒビがあるからと言ってただちに家が壊れるわけではありませんし、
何が理由でヒビが入ったのかも様々ですので一概に悪いとは言えませんが、
現地調査でこういうところを見つけられるかどうかも
会社選びのポイントになります。
耐震改修は単に耐力壁をいっぱい作ればいいというものではありません。
すべてはバランス
耐震性能が高い壁を多く作ればいいということではありません。
耐震壁は「剛」
その名の通り、地震に力づくで耐えることで壊れることを防ぎます。
対して、昔の家は木のしなりによって力を逃がして地震に耐えている「柔」
どちらにもメリットとデメリットがあります。
現代の木造住宅は耐震性能を高めて、
簡単に言うと剛の建築物である鉄筋コンクリート化していっています。
本来、木造は柔の建築物
現代に求められることと、
木造本来の「味」の両立が耐震リフォームのポイントでもあります。