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フルリノベーション ~昭和あるある~

フルリノベーションには昭和あるあるがたくさんあります。

そのほとんどが「もし今の時代にこれやってたら大炎上しちゃうよ!」デス 笑

「笑」をつけていますが、フルリノベーションの経験が少なかったら

「うわーーーーーー!どーーーーしよーーーー!!!!」になっていたと思います。

今回の建物は基本的にはとても丁寧に建てられていましたが、

一部「昭和やなー」がありました。

先日書いた梁の件もそうですが、そのほかには

柱の根元は長さが足りていなくて、床下で端材を使ってかさ上げしてありました。

この柱は構造上大切なものではなくて、

単に押入の間仕切りのためだけのものだったことと、改修後は取ってしまう予定

だったので問題はありませんが、

昭和の時代はプレカットがない時代なので、大工さんのミスで長さが足りないことが

結構あります。

それから土台と基礎を繋ぐアンカーボルト

本来はきちんとナットで締めてあるのですが、

ナットがなかったのか金づちで叩いて曲げて処理してありました。

ナットやボルトが飛び出た部分が仕上げ材の施工に邪魔になるからと

切ってしまっている場合など結構たくさんあって、こちらも昭和あるあるです。。

その他、この時代でも入っているはずの金物が入っていなかったりもありましたが、

どれも昭和あるあるですね。

問題はその昭和あるあるをいかに令和の時代のレベルまで押し上げるか

実はそれ自体はそう難しいことではありません。

断熱性能は単純に断熱材を入れていけばいいだけのことだし、

耐震に関してはもバランスを整えながら強化することで現代の耐震性能まで

押し上げることができます。

ただ、それには何度も書きますが知識と経験と、それで得たノウハウが重要で

誰でもできることではありません。

単純に壁量を増やせばいいという話ではないので。

車に例えるとわかりやすいかもしれませんが、パワーのないエンジンの車ならば

各所がノーマル状態でもいいかもしれませんが、

エンジンのパワーを出せば出すほどブレーキを強化しないと止まらないし、

足回りも強化しないと曲がらないし、

ボディも強化しないとスパッと曲がりません。

曲がらないだけならいいですが、

曲がらない、止まらない=事故の可能性が上がりますよね。

各所のバランスが取れてないと速く走れませんよね。

建築も同じで、

昭和の時代の弱い建物は耐震性が弱い代わりに、

それだけゆらゆらと地震力を逃がします。

しかし、壁量を増して耐震性能を上げたのならば、

壁だけでなく柱や梁、基礎、金物などの強化が必要で、

そしてさらにそのバランスを整えてあげないと、

逆に弱いところに力が集中して壊れます。

強すぎてもダメ、弱すぎてもダメ

既設の良いところを伸ばし、悪いところをカバーしながら

バランスを整える。

そのさじ加減がフルリノベーションの場合には大切になりますよ。

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