フルリノベーションの際にいろんな昭和あるあるが見つかります。
ただ、それは昭和の建物がダメだということではありませんし、
昭和の職人さんたちの腕が悪いということでもありません。
現代のように木造住宅を構造計算で確認することなんて
ありませんでした。
それはすなわち、
職人さんたちがどう作業をしたらよいのかの
基準があまりなかったということに繋がります。
そして、現場管理も同じくで基準がないので
現代のように体制化できていなくて
現場チェック機能も働いていない場合もあったでしょう。
そうなると個々の考え方によるので
一貫した基準というものがあってない状態になります。
AさんとBさんで判断が異なり、やることが違う。
なんてことが起こるわけです。
真面目に仕事はしているものの、基準やチェック体制がないので
昭和あるあるが起こりえる。
ただ、家が倒れるとかそういうレベルの話は少ないです。
現代の目で見ると現場チェックが今と違う、
当時の職人さんの意図がわからなくて「なんでこんなことしたんだろう?」
と違和感を感じてしまう、、、そんな感じです。
建築は人がつくるもの
昭和から平成のあいだに大地震のたびに建築基準法が何度も改正され、
それにあわせて現場管理もしっかりとしてきました。
それでも人がつくるものですから、うっかりはありますし、
良かれと思ってやったことが逆に危険側になったということもあります。
建築基準法に家の中のことがすべて記載してあるわけではないので、
職人さんたちの判断に根拠がないことも多いです。
職人さんたちは「今」を大切にします。
今日中に〇〇を仕上げたい
一日を無駄にしたくない
などなど、真面目な職人さんほど今を大切にします。
でも、今を大切にするがあまり「今判断しなければ今日中に終わらない」と
思って根拠を待たずに自己判断しようとすることもあります。
止める勇気を持て
私は職人さんたちにそう話します。
今日のためだけに根拠もなく工事を進めて、あとでオオゴトになるよりも
今日一日を無駄にしたとしてもしっかりと根拠を持って作業をしたほうがいい
そう伝えています。
きちんと建てる
そのために根拠を判断する構造に長けているブレインの存在が大切になります。
そして、いろんなことに気づける現場管理者も必須になります。
電動工具などが発達した現代でも、未来でも、建築は人がつくるもの
しっかりと調査をして現場管理いたします。