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フルリノベーションは3歩進んで2歩下がる

寒すぎですね。

みなさま、外部水栓など大丈夫でしたか。

さて、フルリノベーション!

と一言で言ってもいろいろあります。

単に内外装をキレイにするだけの場合から

耐震や断熱を高める工事までいろいろあります。

その中でも耐震補強のフルリノベーションは

「3歩進んで2歩下がる」

まず、工事前の現地調査から始まりますが、

現地調査で分かることは建物全体のせいぜい2割ほどでしょうか。

「え?もっとわかるんじゃないの?」と思うかもしれないのですが、

たとえば床や壁がどれだけ傾いているかなどは簡単に分かります。

床下や天井裏も覗き込むことさえできれば見れます。

ただ、現調時ではわかることは表面的なことに限られます。

柱や梁の接合部や、壁の中でシロアリ被害とかは表面上の目視ではわかりません。

解体時に詳細調査を行うことでわかってきます。

フルリノベーションでは想定通りに工事をするための調査もとても大切になります。

建物内がスケルトンになってもまだ「ある程度」しかわかりません。

そこからさらに既存建物がどのくらい傾いているかとか、

梁や柱の接合部、土台のアンカーボルトなどを確認し、

現代の基準の目で見たときに「判断できるか」

これが大切になります。

「判断できるか」は資格を持っていてもまったく役に立ちません

こればっかりは経験がモノを言います。

経験といっても自身の工事経験とはまた違って、

「構造的に法律に合わせてどうか」の判断経験

多分これで大丈夫だろうで通用したのは昭和まで

今はきちんと「判断根拠」が必要になります。

ここからはノウハウになるので詳しく書けませんが、

現場を見て的確な構造判断ができる人はほぼいないと思います。

解体後は今度は大工とのセッション

想定通りに施工できない部分がないかの確認をします。

それ次第で構造計算やり直しになることもしばしば

イコール

建築確認申請が必要な工事な場合には変更届も必要になります。

これが一度の協議で済む場合とそうでない場合がありますが、

そうでない場合がほとんどで、

構造計算は2、3回やり直す場合が多いです。

だからフルリノベーションは3歩進んで2歩下がる

建築は人が作るもの

新築当時に標準的なことと判断していたとしても

現代の目で見ればそうでないことも多いです。

それは私たちも同じこと

あと数十年あとに私の次の世代が現場を見たら

「前社長はこんなことしてたんだ、へ~」となると思います 笑

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