さっそく、フェアでご縁をいただいたお客さまの候補地を見てきました。
土地(建物)の販売形態のひとつに「現状渡し」という方法があります。
その名の通り「見た目、そのまんまで売ります」という意味です。
通常の不動産取引の場合、
不動産屋さんが「知ってたら買わなかったのに!」ということがないように
「重要事項の説明」という義務にあたることは色々と調べてくれます。
隣地との境界
道路との境界
敷地内にある建物の劣化状況など
土地(建物)の過去の状況
などなど
これらは売主や不動産屋さんが知っていてこそ伝える義務が出てくるわけですが、
現状渡しの場合には「そのまんま」売るわけですから、
詳しく調べてなかったりします。
不動産屋さんは土地の大きさや道路の向き、建物の築年数、
駅などからの距離などの利便性から価値を判断します。
しかし、たとえ南向きの高価な土地だったとしても、
たとえば敷地前の道路に電柱があって、
車を敷地に入れる時に「あー、この電柱、邪魔だなあ 汗」なんて感じることは
不動産価値には考慮されません。
でも、これって土地のどこに駐車場を作るか
すなわち「どんな建物を建てることができるか」には大きく影響します。
つまり、不動産屋さんの価値アリと、私たち建築業者の価値アリは
必ずしもイコールではないということです。
たとえば、北向きの土地で南も東西も隣宅に囲まれている土地
不動産評価としては低いけど、もしも予定建物の南側のところが隣宅のあいだで
光も風も南から入ってくるとしたらとても良い土地だと思いませんか。
北向きですから、南向きの土地に比べると安価になる可能性が高いですし、
その差額を建物予算に回すことができる。
そんなことは土地情報には書いてありません。
だって、不動産屋さんは土地のプロであって建築のプロではないからです。
反対に建築のプロは土地のことには詳しくありません。
それなのに、どうして私たちが土地に詳しいのかというと、
アトリエ候補地を探すために100件以上、現地を確認し、
土地に関するいろんなことを調べるうちに不動産屋さん同等の知識を得たからです。
今回もその経験が活きました。
旗竿地だったのですが、土地の広さは良好でスーパーなどの近隣条件も良く、
良物件かと思いましたが、土地情報を見てみると「接道2m」との記載を発見
しかし、現地の見た目はあきらかに2mよりも広い、、、、
そこで法務局で調べてみたらやはり接道が2mでした。
そこで、車をきちんと駐車できるか確認をと思ったのですが、
前面道路も狭く、ちょうどいいところに電柱もありで、
車を進入することが難しい土地でした。
お客さまも事前に現地をご覧になられていたのですが、
見た目では広く見えていたので、お気づきになられていませんでした。
一般的な駐車場の幅は2.5mです。
ところがサイドミラーが大きいミニバンや3ナンバーの車が増えてきて、
最近では二重線になっている駐車場が増えてきました。
二重線の場合には一般的に3m幅があるんです。
なので、2mとなると軽自動車でも車の乗り降りはおそらく難しい、、、
でも現地の見た目は広く見えてるから勘違いしやすい状況でした。
そして公図を取ってみると、もうひとつ大きなことが、、、、
建物を新築、建て替えをするためには敷地のどこかが道路に2m以上の幅で
接している必要があるのですが、公図には別地番の記載があるのに
敷地測量図には別地番の記載がない、、、、、
いったいどちらが正しいの????
という事を見つけました、、、
見た目と実際の境界が一致するとは限らない
公図と現地が違うこともある
そんなことが現状渡しの場合にはわからないこともあります。
だから私たちは必ず現地を確認します。
「どんな建物が建てられるか」を考えることは
時に別のことを見つけることにも繋がるからです。
この感覚は簡単には手に入りません。
私たちも自身が土地探しをしている中で、
たくさんの物件を見た経緯から身についたことですし、
「今となっては」そうだったんだなと感じることで
「よーし、土地の感覚を養うぞ」なんて思ってませんでしたから、、、、
そして、これは不動産部門、建築設計部門、営業が分かれている会社では
なかなか得られない知識と経験だなとも感じます。
全員が一緒に候補地をひとつひとつ見ていくことは難しいと想像するからです。
私たちはたまたま設計担当者がアトリエ土地を探す役目を担っていて
自然にこの知識にたどり着きましたが、
今ではこの知識と経験が他社にはない大きな特徴になっています。
土地と建物の関係は恋人選びと似ている気がします。
容姿(土地条件)も、
性格などの中身(どんな建物が建てられるか)も大事
容姿が好みで、のびのびとストレスなく過ごせる相手が良いですよね。
土地選びは、希望の地域の中で利便性の良いところ
そして、希望の生活スタイルが叶えられる建物の両方が大事ですが、
必ずしも土地条件が良ければ、建物も希望通り叶うわけではないので
判断に迷うこともあるでしょう。
その道先案内人の役目が不動産屋さんや建築会社
その手腕によって大きくいろんなことが変わりますよ。