フルリノベーション③ ~基礎工事から木工事へ~

ようやく雨がやみましたね

株式会社レフデザインです!

解体が終わったらまず調査

お住まいの状態での調査では見えなかったところが見えてきます。

土台が基礎にアンカーボルトできちんと止まっているか

梁の接合部の金物の有無

シロアリ被害などがないか柱や梁の確認

クロス下地をはがして解体したら壁内に断熱材が入っているかや、

耐力壁としてふさわしいかどうか

などなど、たくさんのことがわかります。

現地調査段階で構造計算はかけていますが、現状に合わせて再計算

補強予定の部分ができないことも多々あるからです。

今回も基礎の状態が良くなくて、バランスをとるために

一部の壁を強くするのではなく逆に弱くしました。

「え?弱くするの?!!?」と思うかもしれませんが、そうなんです!

台風の風や地震で家が揺れた時、力が家の一番高いところ(屋根)から

二階の梁と柱、そして一階の梁と柱を伝っていって最後に土台から基礎、

そして地面へと逃がされていきます。

なので、壁を強くすると、受けられる力が大きくなる

イコール

その力をバトンタッチされた次の材の負担が大きくなる

なのです。

一階の壁が強くなると「俺、頑張れるで」と壁自体は頑張るわけですが、

その力をバトンタッチされた基礎が「俺、ムリ!そんなに大きな力受けられないよ」

となると?

地面に力を逃がす前に基礎が壊れるわけです。

なので、基礎が弱いのならその上にある一階の壁をわざと少し弱めて

バランスを取ります。

もちろん家全体としては強度が増し増しになるように設計します。

基礎が弱かったので補強

既設の基礎に新しく基礎を足したところもあれば、新設したところもあります。

本来なら木土台設置の前に基礎を補強するのですが、今回は先に土台を設置して

高さを均一にして、両サイドから型枠を組んでコンクリートを流し込んでいきました。

とにかく梁などがとても下がっている場所があったりでジャッキアップをして

土台全体を上げてからでないと床の高さを合わせられなかったので大変でした。

もちろん配筋も土台とつなぐアンカーボルトもばっちり設置!

基礎が完成すれば木工事へ

柱を新設し、

梁も新設&補強

壁内部に漏水していて壁下地が腐っていました。

んー、、、、これは困った、、、、

壁下地は壁の外部側にあって、これを取っちゃうと外壁全体がゴソッと落ちちゃいます 苦笑

でもこのままほおっておくと壁全体がいずれ落ちます。

そこで、両サイドの柱を支えにして既存の壁下地と一体化して解決!

いろんな技を使います。

でも、いろんな工法を使うとき、絶対に忘れてはならないことがあります。

構造計算で必ず確認すること

大工さんの経験を活かしていろんな工法を使うことは大切ですが、

もっと大切なことは現代の構造計算とマッチしているやりかたかどうか。

これを常に確認しながら補強していきます。

例えばこれ

柱と梁の芯(センター)がずれているのわかりますか?

これをどうやって補強するか?

どれだけのズレまでなら許容範囲なのか?

ズレたまま接合するのならどういう方法でやればいいのか?

この柱は耐力には関係ない柱だったので芯を合わせるよりも柱(壁)が

垂直にきちんと立つことを重視して金物で補助しながら設置。

こんなこともフルリノベーションでは判断するための知識と

ノウハウがとても重要になります。

フルリノベーションで一番大切なことは「判断すること」

大工さんの経験だけでやったとしたら良かれと思ってやったことが

かえって力を受けすぎたりという危険側の判断になることも多々あります。

判断するためには知識が必要

知識を得るためには経験が必要

構造計算と大工さんの経験をうまくミックスするために「場数を踏むこと」が

とても大切です。

こればっかりは近道はありません。

経験しないと知識は手に入らない。

でもただ単に経験しただけでは知識は手に入らない。

常に構造を意識していないと判断できる知識は手に入りません。

そこがフルリノベーションの木工事で一番難しいところです。

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