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フルリノベーションの難しさ

あれだけ晴れが続いて酷暑だったときは雨が欲しかったのに

雨が降り続くと晴れてほしいと思う。

人って勝手だなあ 笑

さて、新しいフルリノベーションの現場のお話です。

フルリノベーションは「最初が肝心」です。

新築の場合は何もないところから建てていきますから

基礎の配筋や建物の梁組や柱の位置などの肝心なところはすべて見えています。

ところがリノベーションとなると完成している建物ですから

肝心なところが全て隠れています。

なので、解体工事中、そして解体後にだんだんと全容が見えてきます。

弊社は、工事前の見積もり段階で間取り変更のために

壁や柱を抜いたりする箇所の天井を開けて梁の位置などをきちんと調査して

見積や工事計画を立てます。

ところがパック料金になっているような建築業者さんの場合には

そういうことがある「かもしれない」で安全マージンを見て見積をしています。

両者の違いは「実費計算をしているかどうか」

弊社は現地に基づいて見積していますが、パック料金の場合には

安全マージンを見ていたけれど必要なかった場合でも

想定していなかった余計な工事が必要になった場合でも

利益を確保できるようになっているわけですから割高です。

そして、想定外のことが多く発生しても定額内に納めなければならないので

いろんな意味での「調整」も行われるのではないでしょうか。

フルリノベーションでは必ず「開けてびっくり」が存在します。

たとえばこんな感じで、大きくシロアリ被害が見つかったりします。

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梁をすべて食べつくして、本来見えるはずのない柱との接点まで見えてしまっていて

こうなると簡単な補修というわけにはいきませんよね。

また、築年数によって柱や壁、床も水平・垂直がしっかりと出ていないことも

多々あります。

解体が進むにつれてこういう本当の意味での改修箇所が見えてきます。

全容が見えたら、再度いろんなことを検討します。

たとえば構造計算で耐力壁としたかったところに柱がなくて耐力壁にできなかったら

耐力壁の位置を再検討して、再度、構造計算などもやり直します。

もちろんそれは建築確認申請とも連動しているので

変更願いも必要に応じて提出します。

また、壁を開けてみると新築時の図面では柱がない位置に柱があったり、

壁の歪みを考慮していたら部屋の幅が5センチくらい想定と変わったり、、、

いろーんなことが工事の序盤にわかるのです。

これらを構造設計者とタッグを組んで的確に改修方法を再検討する

これがフルリノベーションの難しいところであり、

フルリノベーションをただのリフォームと思っている建築業者との

知識と経験の差であり、すなわちそれは工事クオリティの差とも言えます。

また、そのプロセスが各社の違いでもあります。

ふたつとして同じ間取りの家はありません

常に初見という意識でいろんなことを検討するか、

それともどの物件も同じように安易に考えて判断するか。

この違いは仕上がりに大きく影響いたしますし、

各社によって判断の仕方も様々です。

仕上がりだけきれいになるだけでは良い工事とは言えない。

それは新築でもリノベーションでも同じで、

ゴールに向かう方法も様々

そこが難しいところです。

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