フルリノベーションでは新築時の大工さんのクセを
見極めることもとても大切です。
柱や壁の納め方など、その人なりの標準的なやりかたを
見つけると他の場所もだいたいその納め方をしてありますので
想像もしやすくなります。
ただ、難しいのが柱や梁のピッチでして、、、

私の使うメジャーはミリ表示と尺目表示の両方があるもの
これを使わないでフルリノベーションをやってる業者さんは
正確な寸法出しができないと思います。
建築の目安としてモジュールというものがあります。
910ミリ✖️910ミリ
これが日本中の建築のベースになり、
メーカー既製品のドアや床材、ベニヤ板まで
すべてこのモジュールを基にサイズが作られています。
たとえばベニヤ板は910✖️1820ミリ
短辺方向に対して長辺方向は910ミリの2倍になっています。
このモジュール、910ミリや955ミリ、
985ミリ、1000ミリなどいろいろあるのですが、
図面が955ミリモジュールで書いてあっても実際の現場が
950ミリだったり、960ミリだったりと
簡易的に数字を丸めてることもありますし、
長年のうちに歪んで寸法が微妙に変わることもあります。
でもほとんどの場合で、基本モジュールの倍数になってるので
現調で見えないところも想像ができるのですが、、、
厄介なのはモジュール関係なく
「その場所に合わせた寸法」
を使って柱を設置している場合です。

45の数字は四尺五寸
ミリに換算すると、910ミリの1.5倍の1365ミリです。
こんな感じだとわかりやすいわけですが、
現地を採寸したら1395ミリだったりしたら
「ハテ?モジュールに合わないんだが???」
となります。
「歪んで3センチズレたか?」とも感じる微妙な差なのですが、、、
そんな時、メジャーをサッと伸ばして確認すると
「ああ、ここは四尺六寸にしてるのね」
とわかるわけです。
今回の物件は良い意味で新築の際の大工さんが
場所によってすべてこんな感じでモジュールに沿わない
柱ピッチを採用していて、解体後にすべての柱間を確認しました。
ミリと尺目がわからないとフルリノベーションはできない
採寸からフルリノベーションは始まってるのです。