古民家が生まれ変わりました。

古民家の天井はだいたい梁が見えていて、
一階の天井板が2階の床板を兼ねているし、
天井高さも2メートルくらいしかありません。
また、田の字型の部屋になっているので奥の部屋に
光も風も届きません。
そこで、使っていなかった2階を解体して吹抜けに
&
窓を高い位置に設けて
&
部屋を連結
することで広々としたLDK空間を新たに創りました。
私たちの仕事はスクラップ&ビルド
建て替えの新築も、リノベーションも解体することから始まり、
現代にマッチすることように生まれ変わらせる。
特にフルリノベーションではすべてを新しくするのではなく、
いかに新旧を融合させるかがポイントになります。

部屋同士の分断
断熱の低さ
天井高さの低さ
コンセント不足
などなどを改善しながらいかに古き良きものを残すか。
この時代の梁は地松を使っています。
地松とは、簡単に言うと国産松のこと
今は地松を普通に使うことなどできなくて、
米松(北米から輸入した松)が一般的ですから
地松は貴重な材になります。
長年のうちにホコリなどで汚れていましたが、
少しペーパーをかけると当時の美しさが蘇ります。
カンナ掛けされていたものをペーパー掛けするのは
本来ならクオリティダウンになるのですが、
すでに建っているものですからカンナをかけるわけにいかないので
ペーパー掛けにてキレイに当時の木目を出しました。
プランニング当初は色を塗る予定でしたが、
木目がキレイに出ましたのでお客様と相談して
無塗装のままといたしました。
改装前は台所が離れていて、
しかも土間での調理時代の名残で大きな段差ができていましたが
対面キッチンLDKへと生まれ変わりました。
完成写真ではスンとしてますが、
実は工事はかなりの難工事でした。
まず、梁を見せるということは、
電気配線が梁をまたげないということ
構造がわかっていない会社なら平気で梁や柱に穴を開けて
電気配線を通しますが、
それでは耐震性が落ちてしまいます。
そこで、梁などの貫通は最小限に
かつ、
構造に最も影響が少ないところだけで貫通し、
耐震性にも配慮しました。
そのぶん、相当に工事は苦難の連続でしたが、
見た目だけでないフルリノベーションが完成いたしました。
弊社の強みは構造を見極めてリノベーションすること
見た目だけキレイにするのではありません。
見た目だけキレイにするのはただの模様替え
リノベーションではありません。
先日、新たなフルリノベーションのご相談をいただきましたが、
弊社の強みを最大限に活かして取り組みたいと思います。