構造計算にも良し悪しがあるってホント?

建物の安全を検討する方法は大きく二つあります。

ひとつは建築基準法に書いてあることを単純に守ること

たとえば「木造ならこうしてね」と記載があることを

単純に守ることで「仕様規定」と呼びます。

もうひとつは仕様規定によらずに「構造計算」で安全を

確認する方法です。

仕様規定は日本全国どこでも、どんな形でも適応できるようにという

おおまかな規定で、

服で言えば日本人の体型からおおまかにサイズ設定をしてる

既製品のS、M、Lといった感じです。

対して構造計算は「その建物だけの計算」で、服で言えばフルオーダー

仕様規定が既製品ならではのアバウトな余裕を持っているのに対して

構造計算は、その建物の建つ土地、そして建物の形なども

細かく網羅した上で、その建物のため「だけ」に計算する、

すなわち、その人の体「だけ」のために

完全に合わせて採寸して服を作るのと同じです。

そう聞くと「構造計算ってスゴイ!」と思うかもしれないのですが、

実はそうでもありません。

フルオーダーできるからこそのトンデモ節約術があるのです。

構造計算はなにを計算するかというと「壊れる境目はどこか?」を計算します。

ギリギリのギリ!がどこにあるかを計算するわけです。

壊れる境界を正確に数値化することで、

その先にある「どれだけ余裕を持たせるか」に繋げ、

建物の安全を確認するのが構造計算を使った安全確認のルートです。

それは言い方を変えれば「”合法の”ギリギリはどこ?」を

計算するということでもあります。

この怖さわかりますか?

超ギリギリでも、余裕がとてもあっても

言葉にすればどちらも「構造計算で安全を確認しました」なんです。

ギリギリで安全確認をして、まったく余裕がない状態で

もしも地震で建物が壊れても建築会社は

「私達は計算で安全を確認してたので責任はありません」と言うことができる。

余裕を持ったA社と、まったく余裕を持たないB社、

どちらも「合法」なんです。

でも、いくら安いからと言われてもB社を選ぶ人はいないでしょう。

でも、「構造計算で安全確認してます」と言われたら?

誰もが安心してしまうでしょう。

そこに建築の恐ろしさが隠れています。

構造計算を使っているといっても、どのくらい余裕を持っているかは各社違います。

合法と一言で言ってもピンキリですので、

しっかりと「どんな構造計算を使ってどれくらいの余裕を見ているのか」の

確認は必要不可欠で、

質問をして、その場で返事が返ってこない場合には要注意かなと感じます。

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