フルリノベーションは新築時の謎解きから始まります。
新築時の柱や梁などの構造体の加工が平成の始めごろから
プレカットという機械加工に変わっていき、
寸法基準もミリ表示でわかりやすく、今では主流になっています。
プレカットなら壁の中に隠れた構造体の想像もしやすいのですが、
プレカットのない時代はさまざまな意味で「ええ時代」でした。
現代のように構造計算などで構造体の組み方などが決まるのではなく、
大工さん任せで進められていますし、
寸法も尺貫法にて位置決めされています。
「その時の思い」で自由自在に何もかもが決まっているので
柱一本分だけズラすとか、
南北方向は三尺ピッチ、東西方向は三尺一寸五分ピッチなど
混ざり合っていることもごく普通です。
たとえば私たちのアトリエ

普通に考えれば赤線のところに柱が隠れています。

ところが、真ん中の赤線位置には柱はありません。
アトリエの土地はかなり大きく土地の半分くらいしか使ってません。
なので、この二つの窓の範囲を開口して、近い将来に増築するつもりで新築の際に構造を決定しているからです。
でも、もしも、、、
すぐには増築せずに30年後に私の次の世代が増築しようとして、柱の有無を知らなかったら?
おそらく柱があるものとして間取り変更のプランを作るでしょう。
フルリノベーションも同じで、
新築当時の大工さんの想いやクセをきちんと
汲み取ることができないと、
そもそものリノベーション計画が頓挫します。
壁の中のことなので、現地調査ではわからないこともたくさんありますが、
新築時の大工さんの想いを汲み取れるかどうかは
提案力にも予算配分などにも直結するので
とても大切だと感じます。