さて、お得になるはずのフルリノベーションが
予算オーバーしちゃうこともあります。
その理由を今日は書いていこうと思います。
予算オーバーになる可能性が上がる一番の理由
それは新築と同じく施工面積が大きくなることです。
たとえば増築面積が増えて、総面積が増えたとしたら増築部の基礎や外壁、
屋根の費用にプラスして単純に総面積の建物内部の施工面積が増えるので
新築以上になってしまうこともあります。
ただ、それでもフルリノベーションのほうが良い場合もあります。
思い入れのある住宅で、お金がかかっても建物を残したい場合。
これは「お金にはかえられないもの」ですので
施工上、予算上でお客さまと相談をして寄り添うことが大切ですね。
それからもうひとつ、法律的なこともあります。
「既存不適格建築物」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
新築当時の建築基準法が改正されて現行法に合わなくなってる
建物のことなのですが、簡単に言うと
「当時の法律に合っていれば大丈夫です。そのかわり、
もし増築や建て替えの時には現行法に合わせてくださいね」
という緩和措置にあてはまる建物を既存不適格建物と呼びます。
というか、常に建築基準法は改正されているので
どんな建物でも築後数年で現行法に合わなくなります。
なので、築10年以上たっていれば
何かしら既存不適格な部分が出てくると思います。
特別なことではありませんのでご安心くださいませ。
この既存不適格建物の建て替えで一番気を付けなければならないのが、
とても古い時代に建った建物の前面道路、そして隣地からのセットバックです。
(法律に合わせて道路境界や隣地境界から引いた位置に建てる)
基本的に、道路の中心から2メートルの範囲にもし自分の敷地内であっても
建物も塀や門なども建てられません。
しかし、道路が公道に認定される前から建物が建っていた場合には
その規定には触れていないので狭い道路ぎりぎりに建物が建ってることが
よくあります。
この場合、建て替えの際などに現行法に合わせることになります。
同じく、古い街並みの場合、お隣同士の屋根が越境してることも多々あります。
これはお隣同士の個人間問題の場合と、
それから建築後に用途地域が指定されて法的に現行法に合致していない場合の
二つがあります。
お隣さん同士のことのみならばお互いの話し合いなのでいいのですが、
法律的に現行法に引っかかる場合には道路の時と同じく
セットバックが必要で現行法に合わせることになります。
なので、セットバックで建物の大きさが小さくなることがご希望でない場合には
予算がかかっても既存不適格建物の範疇でのリフォームが一つの選択肢になります。
そして、ここまでは主に予算について書きましたが、
次回からは施工にも視点を置いたことを書きますね
続く