チェーンスパイク
モンベル10本爪軽アイゼン
に加えて、今回12本爪セミワンタッチアイゼンを使ってみて、
感じたことを書きますね。
アイゼンを選ぶとき、たぶん誰もが気になるのが、
「どこまで対応できるの?」
だと思うんです。
チェーンスパイクや軽アイゼンはどんな靴でも装着できますが
本格的な冬山には対応できませんよ。
12本爪は本格冬山で使えるけど、前後コバありの冬用靴に
ワンタッチアイゼンでないとアイゼンが外れる可能性ありますよ。
これ、私も「どこにでも書いてある内容で想像もできるんだけど、実際どうなのよ?」
と思ってました。
が!
12本爪アイゼンを実際に使ってみるとすべてが繋がった感じです。
問題はアイゼンじゃなくて靴だと思いました。
感覚的な話になりますが、普通のスニーカーの靴裏の剛性を1としたら
ティトンの剛性は10、アルパインクルーザー2000が15、
アルパインクルーザー1000レザーは25って感じでしょうか。
チェーンスパイクの爪の長さは1センチほど
10本爪軽アイゼンで3センチほど
12本爪になると4センチほどあって爪自体もかなり大きいわけですが、
これってアイゼン単体の性能だけで
これで「どこまで対応できるか」が決まるわけではないと感じました。
アイゼンの爪って靴の外側、すなわち足裏の左右についてますよね。
雪面は完全フラットではなく凸凹してるわけで、
アイスバーンもグズグズの雪も、時には石や木道もある。
靴裏の左右のどちらかの爪だけ使って体を支えるなんてことが普通にあるわけです。
チェーンスパイクでそういう状況になったところで
左右の高低差は最高でも1センチですから
靴裏がねじれても歩くことにさほど影響ありませんが
12本爪になると高低差が最大4~5センチになります。
このときに靴裏のねじれ剛性が低かったら
体を支えることもできず歩けないと思います。
アルパインクルーザー1000レザーはというと、
セミワンタッチのアイゼンには対応してますが、
片爪だけに体重をかけて使うようなシーンになると
足裏の剛性がちょっと足りないかなと思います。
そんなシーンになると、ねじれてアイゼンが外れる可能性がありそうな
足裏の感覚でした。
青氷のようなガチガチのところを足を蹴り込んで
アイゼンを使うシーンになったとしたらもっとそう感じるかもしれません。
実は歩いてるときに片爪に体重をかける歩き方とかをわざとしたりして
「アイゼンが外れるようなシーンってどんなの?」の
バロメーターつくりもしてましたが、
靴裏がねじれてアイゼンと靴底が離れてるような感覚が
時々あってちょっと不安定さを感じました。
「ああ、これがアイゼンが外れるかもしれないという感覚か、、、」と
感じてました。
実際にはなかなか外れないかもしれないけど、感覚的な安心感が薄れるんです。
なので、私としての「雪山に行く際のアイゼンの選び方」は
「二個持っていく」とします。
たとえば、雪があまり着いてない平地や緩い斜度のシーンでは10本爪軽アイゼン。
斜度が強く、雪質も硬くなってきたら12本爪という感じで
一つの山でも使い分けをしたいなと思います。
チェーンスパイク使うなら爪の短い10本爪軽アイゼンを使ったほうが
雪への食い込みもよく楽に安全に歩けるし、
軽いので体力には関係しないし、
ズボンに引っ掛けるほど爪も長くないし、ねじれも気にならないので。
雪が「降るかもしれない」とか、
よほどの平地テクテクくらいしかチェーンスパイクは使わないと思います。
特にグズグズの雪の時には爪が短いので斜度が強いと滑るし、
チェーンが切れる可能性ありますしね。
12本は重いので体力温存のためにも必要に応じて使いたい。
慣れてないことも大きいと思うので今年の冬に使いまくってトレーニングします。
時々使うだけでは重さに負けて長丁場の山行でラッセルなんかしたら
体力切れを起こしそうですんで 苦笑
最後に、アイゼンをつけるタイミングですが、
できるだけ早くつけたほうが良いと感じました。
これもバロメーターつくりで今回は6合目の避難小屋まで
ノーアイゼンで歩いてみたんです。
雪も硬くないし、階段登山道で曲がりくねってるし、
樹林帯の中なのでもしも滑っても大けがにはならないと感じたので、
周りの歩いている人の状況も見ながら
「行けるところまで行ってみよう」でやってみたんです。
歩けるかどうかで言えば歩けました。なんの苦も無く。
だけど、実際にはいくら歩けたとはいえ安定するために
足に力を入れて歩くことになったことも大きいと思いますが
下りの途中で足がつりました 苦笑
たぶん、早めにアイゼン付けて楽に歩いていたら体力的に全然違ったと思います。
アイゼンをつけるタイミングや、どんなアイゼンをつけるかは人それぞれ
登り慣れてる山かどうかや、その人の経験値、力量、
いろんなケースがあると思います。
なので、ネット情報に
「ノーアイゼンで行けた」
「チェーンスパイクで十分」
なんて書いてあっても私はあまりあてにはしないようにしています。
過去にあった実際の経験で、
チェーンスパイクでヨロヨロしながら登ってた人が某アプリに
「チェーンスパイクで余裕でした」と書き込んでるのを見たことあるし、
ノーアイゼンで登ってる人に話しかけたら
「アイゼンは重いからできるだけつけたくない」って
おっしゃってましたが、実際はズルズルになりながら登ってました。
結果だけを見れば、前者は「チェーンスパイクで登れた」
後者は「ノーアイゼンで登れた」
ですが、過程は文章からは読み取れません。
なので、登山の判断は
他人がどうかではなく、自分がどうか
だけで判断したほうが良いかなーって思います。
自己判断ができずに不安なら早目のタイミングで
しかるべきアイゼンをつけて挑戦して経験値を増やせばいいだけ。
必要なスキルを身に着けるまでは臆病なくらいでちょうどいい
そのくらいの気持ちで下調べと、思いつく限りの装備や準備をする。
そして
ヤバくなる前に撤退して、次回にもう少し先まで行ける準備をすればいい。
山は逃げないので何度でもチャレンジ!
この気持ちで私は山を登ってます。
あ、そういえば、足首痛い問題ですが、
馴染んできたらすっかり痛くなくなりました 笑
でもでも、いい加減に靴を履くと
ベロの折り目がちょうど足首に当たってイタイです。
きちんと靴を履く限りとても快適ですー。