UA値とC値のベストバランスは?

ようやく少し朝晩が涼しくなってきましたね。

って、相変わらず顔も腕も真っ黒です 笑

さてさて、先日、新築住宅の気密試験を行いました。

結果はC値0.5

「0.5ってすごいの?素人にはわからない」

そう思う方もいると思うので改めて説明を。

家の断熱性能を表す上でよく使われる数値がUA値とC値です。

UA値は屋根や外壁などの家の外周部の断熱性能を表していて、

関西での長期優良住宅認定やZEHの基準は0.6以下となっています。

C値は気密性能を表していて、1を切ると高気密住宅と一般的に呼ばれます。

ちなみに関西で1を切る建物は約3%だそうで、

1の半分の0.5は相当な高気密ということになります。

家の外周部の断熱がよい、気密が高いということは

家の中から熱が逃げず、外からの熱も入ってきにくいというわけです。

どちらも数値が小さければ小さいほど高性能

北海道基準のUA値は0.4以下だったりします。

でも、この二つの数値のベストバランスはどのくらいなのでしょう?

UA値もC値も限りなく0に近づけることは可能です。

でも本当にそれが必要でしょうか?

去年の9月までの関西地域の長期優良住宅認定の基準UA値は0.87以下でした。

ですが、経験上、UA値0.7以上だと普通の住宅と同じで

体感上、夏は暑いし、冬は寒いです。

0.7以下のなってくると明らかに体感が変わります。

夏の暑いときの部屋の暑さが全然違います。

0.6以下になってくるとさらに体感が変わって、

夏にお出かけから帰ってきてもすぐにエアコンをつけることなく、

ゆっくりと荷物を下ろして、手を洗って、

それからおもむろにエアコンのスイッチオンで大丈夫。

弱運転で10分あれば希望温度にすぐ到達。

8畳以下の部屋なら夜は27度でも布団をかぶって寝るくらい冷えます。

ですが、UA値が0.5を切ったとしても体感はあまり変わりません。

音で想像ください。

例えばリビングで昼寝をしようとしてるときに家族が隣でテレビを見ていたとします。

家族の方が昼寝の邪魔にならないように気をつかってリモコンをポチポチして、

10から8へ、8から6へ、、、と音量を下げていったとします。

昼寝しようとしてる人が気にならないレベルの音量になった時の

テレビの音量が例えば6だったとして、6と5の差ってわかるでしょうか?

わかりませんよね。

耳障りだと感じる音量のあいだは音量の差の感覚はあるかもしれないけど

気にならないレベルの音量以下になってしまえば

体感としてはあまり変わらないでしょう。

UA値も同じく、ある程度までは体感としてわかりますが、

快適と感じる体感になってしまえば、それ以上に高性能にしても

差はあまりわからないのです。

C値も同じく。

C値は簡単に言うと

「1m角のサイコロの中にどのくらいの大きさの隙間があるか」に

換算して表したもの。

C値1は1m角のサイコロの中に1センチ角の隙間があるということです。

高気密をうたう住宅会社の目標値は一般的に0.5が目安です。

1m角の中に0.5センチ角の隙間がある場合と、

0.4センチ角の隙間がある場合、

その差たった0.1センチ、すなわち1mm

はたして性能を体感できるでしょうか。

ここからが本題です。

経験上、UA値0.5~0.6、C値も同等の数値がベストバランスと思います。

特別な費用も掛からず、とても家の性能を体感できる。

費用と効果のバランスがとても良いと思います。

UA値を下げる場合、段階があります。

屋根、壁の断熱性能を高めれば窓を普通のサッシを使うだけでも0.7近くまで

簡単に落ちます。

0.6を切ろうとすると、高性能サッシを使えばクリアできます。

ですが、0.6以下になると0.1落とすためには

さらに高性能なサッシを使ったり、断熱材の厚みを増したりという必要が出てきます。

さらにさらに0.5を切るともなればさらなる高性能なものを使う必要が出てきます。

C値も同じく、きちんとした工事をしていれば1を切ることは比較的簡単です。

ですが、0.5以下にしようとすると、いろんな気密パッキンなどを

使って性能を上げる必要が出てきます。

UA値を上げるために超高性能なサッシを採用すると

家一軒あたり何十万円と費用が掛かります。

C値を上げるために気密パッキンも同じく少なくとも10万円以上。

気密を上げると、家の中が負圧になりやすいので

吸排気の機械の検討も必要になりますのでこれらを合わせていると

何十万円になります。

それでもスペックを求めて費用を掛けるかどうか。

例えば3000万円のご予算の中でUA値とC値に予算を多く使うことも

いいと思います。

UA値とC値を快適な範囲(0.5~0.6)にして、

キッチンや外壁や床材などに予算を回すのもひとつ。

UA値もC値も数値が上がればもちろん性能としては上がります。

今回の物件は高気密を狙ったわけではありませんので

特別なことはしていません。

それでもC値0.5を達成していますので気密パッキンなどを使えば

簡単に超高性能に早変わりします。

ただ、残念ながら超高性能と高性能の差が体感できない。

それを次回のブログに書きますが、

UA値もC値も過度な高性能は求めず、バランスをとることをお勧めしますよん。

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