木造住宅の構造ポイント① ”不必要な梁”が必要な理由

ひさしぶりの雨ですね。

でも台風が近づいているので恵みの雨と素直には喜べないですね。

さて、今日からブログは二本立て!

構造に関することと、山登りに関すること

まずは構造の話から

まず木造って、どういう建物なのかというと「柔」の建物です。

鉄筋コンクリートは「剛」の建物

地震が来たとき、木造は木が力を受け止めて、木がしなってある程度力を受け止めて、

受け止めた力を柳のように逃がすことで地震に耐えます。

鉄筋コンクリート造は、部材の力のみで耐える。地震の力よりも建物の力のほうか強いように作るわけです。

どちらが長持ちするかというと木造です。ダントツで木造です。

最古の鉄筋コンクリート造は1904年のフランスの教会だといわれています。

対して木造は法隆寺!607年建造です。

耐久年数として、鉄筋コンクリート造は50~100年と言われていますが、

木造は法隆寺どころか江戸時代以前の建物がゴロゴロしてるわけですから数百年ということになります。

しかも、地震大国日本で、です。

日本の木造ってすごいんですよ。

大きなお寺の屋根先ってビヨーンと長く飛び出てるでしょう?

なのになぜ屋根が垂れてこないんでしょうか?

お寺の屋根裏って桝組が何段もありますよね。

1段ならば一手先、2段なら二手先、3段なら三手先、、、という風に呼ばれます。

この桝組がミソでして、段々を繰り返すうちに掛かる力がものすごく小さくなるんです。

だから重たい屋根のはずが軽く支えることができています。

構造計算なんてない時代から構造計算にあてはまる考え方ができている。

これはなぜかというと「潰れてきたから」だと私は思っています。

造っては潰れるを繰り返すうちに工夫を繰り返すことで徐々に壊れない建物を造ることができた。

先人の礎が今の木質構造の基礎になっています。

大工技術、考え方、すなわち「技術」の部分はそうやって親方から脈々と引き継いできています。

それを数値として目に見えるようにしたものが構造計算です。

構造計算は「壊れるか、壊れないか」の境目がどこにあるかを計算するものです。

弊社は大工の経験を構造計算で裏付けをして、建築基準法比1.5倍以上になることを確認しています。

でも構造計算は別の使い方もできます。

「ギリギリ持つ境目はどこか」を計算することができるわけですから、

ローコストにするためにも使われます。

この梁、実は建築基準法上、不必要な梁です。

この梁の上に本来の梁がドーンと乗っかります。

この補強梁の部分には窓がきます。

窓がくる=柱がない=梁が垂れる可能性がある

なわけで、梁が垂れないように窓下には補強梁を入れます。

計算上は不要な梁ですが、大工の経験上では必須

そんなところが木造建築にはたくさんあります。

そして、それは言わなければお客さまにはまったくわかりません。

クロスや外壁材などの仕上げ材が施工されちゃうと構造部は全く見えません。

ですが、見た目がきれいだと、きちんと施工してあるかどうかお客さまには判断がつきません。

建築基準法をクリアしてる=大丈夫ではないんです。

だから木造は難しい。

その部分を「構造計算してますから大丈夫です」だけの一言じゃなくて

きちんと説明できるかどうか。

そこが、その会社の技術力といっても過言ではありません。

8月19日(土)~20日(日)に構造見学会を開催いたします。

場所など詳しい情報はこちら

誰もがきちんとした家を建てたいと思っている。

だけど、構造でどういうところを気を付けたほうがいいのかなかなかわからない。

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