デザインと性能とコストのバランスは綱引きと同じ

今頃になってなんだかまた寒くなってきましたね。

登山から5日目、まだまだ筋肉痛です 笑

さて、建物を建てるときに大切な三点セット

デザイン

性能

コスト

デザインが最高で、性能も最高で、コストは安くできればいいですね。

予算も敷地の大きさも近隣条件も制限がなければいいのですが、

なかなかそうはいきませんよね。

基本的にはどれかを上げると連動して他も上がりますので

どこかでバランスを取る必要が出てきます。

でも、、、

デザイン、性能、コストのバランスを

常に意識しながら判断することは大切ですが

「意識すると言ってもどうやって想像すればいいの??」

と感じると思います。

今日は3者のバランスについて書きたいと思います。

バランスのイメージは運動会の綱引きです。

デザインと性能VSコスト

運動会の綱引きって真ん中に旗が立っていて、

どちらかが優勢になって旗が倒れたら

学校の先生のピストルが鳴って勝負が決まりますよね。

旗が倒れない程度のやり取りができている間は

3者のバランスがとても良い状態ですね。

じゃあ、もしも綱引きの均衡が崩れる時ってどんな時なんでしょう?

例えば、デザインを優先して外観を凸凹にしてみたら?

同じ坪数でも外壁面積が変わります

外壁面積が増えるということは、綱引きはコストが引っ張られちゃいます。

また、例えば断熱性能を上げるためには

性能が高く高級になるサッシを使うことになりますし、

耐震性能を上げるためには、

構造材の大きさを大きくしたりする必要が出てきますので

同じくコストが引っ張られます。

逆に、高級なシステムキッチンから中高級なものに

変更する場合にはデザインや機能が下がる可能性があるので

今度はデザイン・性能が引っ張られます。

このさじ加減が難しいですね。

デザイン・性能とコスト、どちらだったとしても極端にやりすぎると

綱引きのバランスがすぐに崩れます。

問題は「どこまでが旗が倒れずバランスがうまくとれる範囲やねん?」だと

思いますが、そのために私たちプロが助っ人参戦するんです。

お客さまがデザインや性能を上げたいとご希望されれば

私たちはデザイン・性能のほうに助っ人に入り、

コストを下げたいとご希望をいただければコスト側の助っ人に入って

綱を引っ張ります。

ただ、単に助っ人に入っていきなり

力いっぱい綱を引っ張る=極端なもの・コトを勧めるのではありません。

お客さまがもしもシステムキッチンに一点集中で予算を掛けたいと

ご希望されればその時には思いっきり綱を引っ張りますが、

基本的には旗が倒れない中でバランスをとりながら助っ人に入ります。

ご提案をして、別のものを希望されることもあるので、

私たちは力加減をその都度変えたり、

綱の右から引いたり、左から引いたりしてバランスを整えます。

デザイン・性能・コストのバランスをとりながら

お客さまのご希望と提案をすり合わせるのです。

ここで一つだけ注意点があります。

綱引きの助っ人はどちらかにしか入ることができないということ

設計担当、コーディネーターなどのチームで社内検討して

会社としてご提案するので人で例えると一人なんです。

だから、どちら側に助っ人に入るにしても

両方のことを考えて助っ人には入りますが、

それは力の入れ具合で旗が倒れないようにはできても

一人なので同時に両方に助っ人に入って、

力いっぱい綱を引っ張ることは物理的にできないのです。

それから、

作業的に可能かどうかと、三者のバランスがとれているかどうかは別の問題です。

作業的には可能でも基本的にデザイン・性能を求めた場合には

コストが上がりますから

最高級のデザインと性能を求めながら同時にローコストを追い求めることは

とても難しいです。

もちろん、お客さまの理想を求めて私たちは奔走します。

小さなことだったとしても県外まで直接出向いて

質感などを確認したりすることは日常茶飯事。

でもでも、もしも、、、もしも旗が倒れてピストルが鳴ってしまったら、、、

その時には一度、綱を地面に置いて、ゆっくりと一緒に考えましょう。

「どれも外せない!」と思うかもしれませんが、

深呼吸してひとやすみ、ひとやすみ

優先順位をつけて、ゆっくりと二人三脚で一緒に考えましょう。

誰もが、希望をすべてかなえたいと思います。

ただ、バランスが崩れるとやはりよくありません。

しかし、バランスを整えるために簡単に何かを諦めるのもダメです。

私たちは絶対にあきらめずに「できません」とは言いません。

使う材料が変わっても質感やデザインが近い代替案を必ずご提案いたします。

時間をかけてゆっくりと一緒に探しましょう。

そうすることで、納得したうえで前に進めると思います。

ゆっくり一緒に前に進みましょう。

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