ヒートショックの恐ろしさ

「ヒートショック」という言葉、ご存知でしょうか。

簡単に言うと、急に「わお!冷たっ!」とびっくりして

心臓や血管がキュッとなって体に悪影響を及ぼすことです。

ヒートショックのネット記事

記事に家庭内事故でお亡くなりになる人数が

交通事故よりも多いと書いてありますがこれホントです。

交通死亡事故は約4000人程度

対して家庭内事故は厚生労働省の2021年統計で

約13000人くらいの人が亡くなっています。

家庭内事故はいろんなところで起こります。

階段で転倒や落下

浴室でおぼれちゃったり

部屋の中で転倒して頭を打ったりいろいろです。

その中で家庭内事故が起こる場所、ナンバーワンはお風呂です。

お風呂って裸で無防備に加えて、

水やせっけんなど溺れたり滑りやすい条件などもそろっているので

今では家庭内事故の4割にもなるそうです。

そしてヒートショックが起こる場所としてもナンバーワンだと思います。

ユニットバスではなく、昔ながらのタイル床の冷たーいお風呂

服を脱いで、裸足でお風呂の中に入った瞬間の床の冷たさで

ヒートショックが起こり、脳卒中や心筋梗塞などを起こします。

弊社は福祉住環境コーディネーター資格者がいて

介護リフォームを得意としているのですが、

実は高齢者の方だけではなく、

まだまだお若い50歳前後の方が脳卒中を起こして

リフォームすることもしばしばなんです。

ヒートショックの原因はただ一つ

「温度差」です。

暖かい部屋から冷たい廊下に出た瞬間

冷たいお風呂の床に足を踏み入れた瞬間

夜中にトイレに入った瞬間

などなど

これを防ぐには家全体の断熱を高めて温度差を小さくしてあげることが大切です。

また、例えば杉床材などを使って肌触りをやさしくしたり、

冷たさが感じにくいユニットバスにするなど、

肌に触れる部分の温度差を少なくしてあげることです。

これらの工事&福祉リフォームって簡単なようでとても難しかったりします。

何が難しいって?

ご本人に必要な工事と、

介助する人にとって必要な工事の両方を網羅する必要があるからです。

たとえば、手すり一本付けるとしてもどこに付けたらいいと思いますか?

やみくもにトイレやお風呂に付けても使えない位置にあったとしたら

バリアフリーどころか、逆に手すりの出っ張りは

「バリア」になって邪魔になります。

手すりは使えてナンボ。

手すりの位置、高さ、長さ、すべてにノウハウが必要で、

誰でもできるものではないんです。

たとえば、ご主人様が身長180センチ以上の大柄な方で、

奥さまが小柄な方の場合、奥さまがご主人様を抱きかかえることは難しいでしょう。

しかも介助には休みはありません。

一年365日、休みなく続きますから「今日は腰が痛いからお休み!」とは

いかないのです。

だから、介護リフォームはご本人のためだけでなく、

介助する方が少しでも楽になるようにプランする必要もあります。

これが非常に大事です。

たとえば、ご本人が両足共に不自由な場合と片足が元気な場合では

介助の大変さが全然変わります。

健常な足で少し自立してもらいながら介助するのと、

そうでないのとでは雲泥の差。

もし手すりを適切な位置に取り付けたとしたら

ご本人は健常な片足で立ちやすく、

介助の方も楽に介助できるというわけですから手すり一本の取り付けも

非常に重要ということになります。

また、ご本人さまにとっても大切なのは「自分でできること」

男性で言えばトイレが自立できるかどうかは

お気持ち的にとても大きなことだったりします。

寝たきりは寝かせきり

と言われるように動かなければ動けなくなります。

ご本人さまができるだけ自立できることは

ご本人にとっても介助される方にとってもとても大切。

そのために介護リフォームがあります。

私は去年、足を骨折して大変な目に遭いました。

「もしもこれが高齢者だったら、、、」

介護リフォームに携わる者として自らの身をもってよくわかりました。

それを活かしながら日々、介護リフォームに向き合っています。

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